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第一部 出版の塔

その3 ノンフィクション

自然科学

海外で翻訳された日本の児童書を分類別に見ると、ノンフィクションの中では自然科学分野の占める割合が非常に高い。アメリカで高く評価され1983年にニューヨーク科学アカデミー賞(New York Academy of Sciences Award)を受賞した「科学のアルバム」をはじめ、自然科学を取り扱った様々なシリーズが、世界各国で翻訳されている。

ただ、翻訳と言っても、原書の文字部分だけが外国語に置き換えられてそのまま出版されるとは限らない。たとえば上記「科学のアルバム」シリーズの『カニのくらし』は、もともと縦書き・右開きだが、言語に合わせて横書き・左開きに直されたり、アメリカ版(No.71)や韓国版(No.72)では表紙と裏表紙の写真も入れ替わっている。原書とは別の説明文が付されているところもある。

また、「カラー自然」シリーズで、『アリの一日』は7か国で翻訳されているが、『ヤマトシジミ』は1か国も翻訳されていないなど、シリーズものでもテーマによって1点ずつ取捨選択されていることが分かる。
『かさぶたくん』は、親しみやすい絵でかさぶたの働きを教えてくれる、子どもたちに人気の科学絵本である。『かさぶたくん』の韓国版(No.79)は、日本で最初に出版された形と同様、雑誌として出されている。また、フランス版(No.81)では表紙のデザインが変わり、版型も小さくなっている。台湾版(No.82)には巻末に、「専家推薦」といった医師による推薦文や、「延伸活動」といった発展的内容も付け加えられている。
『はじめてであうすうがくの絵本』でも、国・地域ごとに様々な工夫が見られる。台湾版(No.84)は、本体のデザイン等は変わっていないが、付録として「導讀」という指導書の小冊子がついている。イタリア版(No.85)は、表紙の黒板に書かれている字が手書きではなくなり、意味も異なっている。アメリカ版(No.86)では、原書の72ページに使われている絵が表紙に採用され、タイトルにも作者である安野光雅の名字が入っている。フランス版は、原書と同じようなハードカバーに加え、個人が買い求めやすいよう、章ごとに分冊したペーパーバック(No.87)も出ている。タイ版(No.88)も同様に、章ごとに分冊したものになっている。

社会科学

自然科学分野以外のノンフィクション作品は、翻訳されているものが比較的少ない。

ノンフィクション作品の翻訳の際には、国によって文化的背景や歴史・社会事情等が異なるという要因からか、翻訳すると対象年齢が上がってしまうという特徴もある。

たとえば、日本では主に高校生向けとして出されている岩波ジュニア新書の1冊である『砂糖の世界史』は、中国・台湾・韓国では、大人向け読物として翻訳出版されている。さらに韓国では、通勤・通学時など移動中の電車内で本を読むという習慣がなく、新書サイズの本は売れにくいという事情から、大きいサイズで出版された。

さらに、翻訳の際に、日本人の子どもたちの写真が現地の子どもたちの写真に差し替えられたり、本の中に出てくる日本的なものが他のものに差し替えられたりすることもある。 『すしだ、にぎりだ、のりまきだ!』(No.93)のアメリカ版(No.94)では、稲荷神社と狐の絵が子どもの絵に差し替えられているほか、別のページでは日本の子どもたちの写真が削除されたり、日本の駅弁の写真が削除されたりしている。

人気キャラクターを使用した学習教材

海外での現代日本文化の受容を語る際、漫画、アニメ、ゲーム等は不可欠なメディアであるが、それらは児童書とは異なる独自のジャンルととらえることとしたい。ただ、日本のマンガやアニメの人気キャラクターは海外の子どもに親しまれて児童書にも登場している。そこで、ここでは人気キャラクターを使用した児童用学習教材の例を、若干紹介する。

教育に関心が高く日本と感覚が似ているアジア諸国では、日本のキャラクターを使用した学習教材がよく翻訳されている。国により翻訳の仕方が異なる場合があり、『ドラえもんのせかいちず』のインドネシア版(No.96)は原書(No.95)と内容が同じだが、タイ版(No.97)では原書巻頭にある日本列島の地図がタイの地図に差し替えられた。

ポケモンの人気キャラクターを使った日本の「わくわくシール学習」シリーズの1巻目は『ポケモンあいうえお:ひらがなの読み書きワークブック』、2巻目が『ポケモン1・2・3:数と数字のワークブック』(No.102)であるが、香港では、ひらがなの読み書きを扱う1巻目は翻訳されず、原書では2巻目である『数と数字のワークブック』がシリーズ1巻目になった(No.103)。

※著作権の関係上、本電子展示会に写真を掲載していない資料もあります。

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