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国際子ども図書館主催の展示会のお知らせです。

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「絵本の黄金時代 1920~1930年代 −子どもたちに託された伝言」

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「絵本の黄金時代 1920~1930年代」の歴史的背景

近代産業を基盤とする社会への移行期にあたる18世紀後半から19世紀初頭。天然資源の大量消費や製造機械の発明、輸送力や通信技術の機械化に伴って、世界各地に大都会が出現し、人々の移動と人口の集中が始まりました。その中で、多くの子どもたちが望ましくない生活環境のもとで低賃金の長時間労働など、弱者の立場に置かれました。

このような時代にも、英米では宗教的観点から日曜学校の本が、また18世紀にはイギリスのチャップブックや日本の赤本のような印刷物が既に登場していました。そして19世紀後半に至り、ようやく一般の子どもを対象とした教科書、宗教書、児童向け読み物、絵本や絵入り本が世界各地で流通するようになるのです。

20世紀に入り、スウェーデンの婦人思想家エレン・ケイが、生命の自由な発展のための児童教育と母性的使命を主張し、次第に社会の関心が子どもたちに向けられるようになります。

第一次世界大戦後、各地からの移動する人々を受け入れ多民族化していった米国では、人びとの多様な生き方の選択やそれぞれの違いを認める視点を提示する絵本が生まれました。また、革命直後の初期ソビエト連邦では、絵本が、広大な国土に暮らす各地の子どもたちに、民族や言語、文化の壁を超えて近代社会に共通する制度、機能、習慣についての情報と物語を運びました。

まさに、絵本の黄金時代が始まったのです。

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