過去の展示会
国際子ども図書館主催の展示会のお知らせです。
※こちらの展示会は終了しました
「絵本の黄金時代 1920~1930年代 −子どもたちに託された伝言」
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黄金時代への道
ここでは、19世紀から20世紀初頭までの近代絵本の系譜を、『絵本ギャラリー』の構成に沿って、世界美術の流れを示す代表的な作品とともにご紹介します。
17世紀後半以降のチャップブック(呼び売り本)の時代から、木口木版による美しい多色印刷の時代を迎えた19世紀後半のイギリスでは、製版師エドマンド・エヴァンスによって見い出された、ウォルター・クレイン(1845~1915)やケイト・グリーナウェイ(1846~1901)、ランドルフ・コルデコット(1846~1886)らによる質の高い作品の登場により、芸術性あふれる「絵本の舞台」が華やかに開幕します。
19世紀末には、科学技術が進展し、社会構造が大きく変わる中で、「自然への回帰」をテーマとしたユーゲントシュティル(アールヌーヴォー)と呼ばれる芸術運動が絵本にも影響を与えます。
また、葛飾北斎、安藤広重、河鍋暁斎の浮世絵などの日本美術も、ヨーロッパの芸術家にジャポニズムと呼ばれるような大きな影響を与えました。
ヨーロッパでは、第一次大戦やロシア革命などの激動の時代を経て急速な都市化が進み、中産階級が台頭しました。そして、技術の進歩に未来への希望を託した庶民の日常生活を反映するモダニズムと呼ばれる芸術運動が盛んになります。その影響は、『赤い鳥』や『コドモノクニ』などの子ども向け雑誌が全盛期を迎えた大正デモクラシーの日本にも及び、豊かな芸術性が人間性を育むという理想のもとに、村山知義や夏川八郎などの前衛的な画家が活躍します。
“The little Mother Goose” (小さなマザーグース) J.W.スミス作 1912/1918 <ミュゼ・イマジネール所蔵>
“Сказка о царе Салтане:Сказки Пушкина” (サルタン王の物語:プーシキンの昔話集) I.ビリービン絵 1905 <請求記号 Y17-B5302>
“Das Zauberboot”(まほうのふね) T.ザイドマン・フロイト作 1930,c1929 <ミュゼ・イマジネール所蔵>
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