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武井武雄
たけい・たけお
1894 - 1983

1894(明治27)年 長野県諏訪郡に生まれる。
1919(大正 8)年 本郷洋画研究所を経て、東京美術学校西洋画科志望入学。そのころ竹久夢二と北原白秋に傾倒したという。
1920(大正 9)年 本科卒業後同研究科修了。
1921(大正10)年 結婚。生活のため、編集主任、野辺地天馬のすすめで、『子供之友』(婦人之友社)に初めて子どものための絵を描く。
1922(大正11)年 「コドモノクニ」創刊号より参加。
1923(大正12)年 『お伽の卵』刊行。
1925(大正14)年 初めての個展「武井武雄童画展覧会」を銀座・資生堂画廊で開く。このとき、「童画」という言葉を初めて用いた。
1926(大正15)年 『ラムラム王』刊行。
1927(昭和 2)年 清水良雄、岡本帰一、初山滋、川上四郎、深沢省三、村山知義ら『コドモノクニ』に寄せた画家を中心に「日本童画協会」を結成。子どもの絵に芸術性をもたせようと力を尽くす。
1931(昭和 6)年 前年暮れに、岡本帰一が急逝したために、5月より『コドモノクニ』の投稿画の選評を兼ねる。
1955(昭和30)年 『キンダーブック』の編集顧問になる。
1983(昭和58)年 急逝。
 1921年頃、仕事を求めて、当時『日本幼年』(東京社)の編集主任だった和田古江を訪ねる。そこで和田から新しい絵雑誌の計画を告げられ、創刊号から参加したのが『コドモノクニ』である。
 当時28歳の武井は、妥協を許さない強い個性で、子どもや動物、玩具を画面いっぱいに描く。しかも洗練された色彩とデフォルメをほどこした絵には、軽妙で子どもの心をとらえる楽しい演出が計算されており、初期の線条はビアズレーを思わせる。画壇に所属するでも展覧会をめざすでもなく、マイペースを保ちながら、あらゆる技法と美術様式をちりばめた。よく読みこんだ挿絵は無駄がない。
 武井は、郷土玩具の収集に熱心で、合わせて細工ものに凝り、図案を考え、生活そのものを楽しむ術を心得ていた。『コドモノクニ』では、折り紙や粘土、テープ、きびがら、豆など身近な材料を使った細工ものの例を図で示した。そのうえ、お話や童謡の創作をまとめて、『お伽の卵』『ラムラム王』『赤ノッポ青ノッポ』などを出版する。『ラムラム王』は初め、『金の船』に連載したもので、ロシアの詩人ソログウプの詩を引用していて驚かされる。
 晩年は刊本作品(私刊本)を作って楽しんだ。


参考文献
『武井武雄』子供之友原画集・3 婦人之友社 1986年
『ラムラム王』 武井武雄著 叢文閣 1926年(初出)
『本とその周辺』 武井武雄著 中公文庫 1975年
思い出の名作絵本『武井武雄』 河出書房新社 2001年
 

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