2016年ガーディアン賞の受賞作品決定

【2016-114】

2016年11月17日、英国のガーディアン社(Guardian)は、2016年ガーディアン賞(Guardian Children’s Fiction Prize)の受賞作品が、Alex Wheatle の “Crongton Knights” に決定したと発表した。

“Crongton Knights” は、South Crongton という治安の悪い架空の地域を舞台にした三部作の二作目である。主人公の少年は、危機に陥った少女を助けようとしたことで危険な冒険に巻き込まれる。

Wheatle は南ロンドンの養護施設で育ち、1981年のブリクストン暴動で投獄されたときに文学と出会った。大人向けの小説で高い評価を得たが、「スラムをテーマに書く黒人作家」という枠の中でしか評価されないことに反発し、ヤングアダルト作品を手がけるようになった。デビュー作以降、南ロンドンのスラングによる会話中心の文体を特徴としてきたが、本作は、彼が生み出した独自のスラングで書かれている。

審査委員の一人、S・F・サイードは、「Wheatle は、詩的かつリズミカルでユニークな文体を編み出し、英語を新たな形に作り変えることに力を注いだ。Crongtonは創作だが、Crongtonが置かれている状況は、イギリスだけでなく世界の多くの都市に通じる」と評価した。

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(2016.12.17 update)