子どもに本を贈る運動(ロシア)

【2017-018】

「世界本を贈ろうの日」(International Book Giving Day)に合わせ、2017年2月14日から18日にかけて、ロシアで、「愛をこめて本を贈ろう(Дарите книги с любовью)」キャンペーンが開催された。この発起人となったのは、子どもたちに読書を親しんでもらうことを目的とした文化、芸術、教育関連の団体からなる読者育成協会(Ассоциация "Растим читателя" )である。

「世界本を贈ろうの日」の運動は、毎年2月14日のバレンタイン・デーに子どもに本を贈ろうという趣旨で2012年に始まった。現在、世界中で30か国以上が実施しており、高度情報化社会になった今でも、本が価値を失っておらず、すばらしい贈りものとなり得ることを物語っている。
ロシアでは、今年が初めての全国規模でのキャンペーンとなった。主催の読者育成協会は文化、芸術、教育、出版等の領域で活動する公的機関や創造的な組織、共同体、個人等の集まりであり、子どもの文学的・芸術的教育の促進に重点を置いて活動している。 期間中、図書館、書店、美術館等を会場として、児童関連機関に寄贈する本を集めるほか、本に関連する大会、クイズ、ワークショップ、朗読会、有名人や子どもの本の作家・画家との会合等、様々なイベントが開催される。
この運動に協力している書店では、キャンペーン価格の本を並べた特別コーナーを設け、ポスターや広報用のグッズも販売した。また、寄贈したい人は買った本を、店内に設置されたキャンペーン用の箱に入れることができ、それらの本は、小児病院、児童養護施設、ホスピス、慈善団体、遠隔地にある小村の資料費の乏しい図書館等に送られる。こうした活動は、ロシア国立児童図書館を始めとする多くの図書館も行っている。
読者育成協会によると、今年の「愛をこめて本を贈ろう」キャンペーンは大成功を収めたので、本を贈る伝統を蘇らせ、若い世代の読書への興味を呼び起こすために、今後は毎年の恒例行事にしたいという。

Ref:

(2017.03.22 update)