2016年の英国出版市場

【2017-037】

英国の出版社協会(Publishers Association)は2017年4月26日、2016年の英国出版市場における出版販売額を発表した。

全体の出版販売額は、昨年に比べ7%増加して48億ポンドとなり、電子市場も対象となった2007年以来最高の伸び率を記録した。紙の書籍の販売額が増加した一方で、電子書籍の販売額は減少したことが特徴的である。一般向けの出版は、前年比5%増の18億ポンドとなっており、その最大の要因となったのが児童書市場であった。児童書の販売額は昨年よりも16%増の3億6500万ポンドであり、「ハリー・ポッター」シリーズの続きを描いた“Harry Potter and the Cursed Child”(邦訳『ハリー・ポッターと呪いの子:第一部・第二部:特別リハーサル版』)の出版が増加の大きな要因となっている。

海外市場も拡大しており、輸出販売額は、昨年より6%増の26億ポンドで、全体の54%を占めている。児童書の輸出販売額も34%増加し、1億1600万ポンドとなった。また、教育用出版は、前年比5%増の3億3600万ポンドで、国内での増加はわずかながら、海外向けのものが急増した。特に、東アジアと南アジアで27%、南アメリカと中央アメリカで34%増加した。

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(2017.05.22 update)