子どもと本の情報・調査

第36回国際児童図書評議会(IBBY)世界大会発表要旨募集

【2017-092】

国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People: IBBY)世界大会は、子どもの本に関わる人々が世界中から集まる場として、1953年以降、隔年で開催されている。講演やパネルセッションのほか、国際アンデルセン賞、IBBY朝日国際児童図書普及賞、オナーリストの授与式が行われる。

第36回IBBY世界大会は、2018年8月30日から9月1日まで、ギリシャのアテネで開催される。アテネは、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が主催する2018年「世界の“本の首都”」にも選ばれている。

本大会のメインテーマは、“Where the East meets the West”(東と西が出会うところ)である。様々な民族、文化、宗教、言語がまじりあい、ぶつかりあう中で、子どもの本が果たしうる役割に焦点が当てられている。
このメインテーマの下に、以下のとおり3つのサブテーマ「児童文学における差異と同質性と多様性」、「言葉、国、文化を超えた翻訳・受容・比較」、「異文化や多文化理解のための本を、子どもと若者に手渡す」とその例が挙げられている。

サブテーマ1 「児童文学における差異と同質性と多様性」
・児童書における東西の文化的概念とその表現
・移民とそのコミュニティ、移民としての体験についての児童書
・児童文学における難民の声・物語・アイデンティティ
・差異、同質性、多様性の視覚表現
・自分、あるいは他の国、文化、民族の文学的イメージ
・子どもと若者に向けた植民地文学とポストコロニアル文学
・個人のアイデンティティと社会的アイデンティティの関わり
・過去と現在の紛争・戦争
・世界の子どもの本における性的少数者(LGBTQ)
・児童書及びYAにおける古代文明
・異文化の社会問題と児童書
・児童文学における宗教と宗教集団
・障がいとニューロダイバーシティ

サブテーマ2 「言葉、国、文化を超えた翻訳・受容・比較」
・文学・言語・文化間の交流
・異なる言語・文化の本が互いに及ぼす、単純且つ複雑な影響:再話、パロディ、異文化の描写
・児童文学と他の芸術(視覚芸術、ダンス、音楽、映画、劇他)の関係
・翻訳やメディアの変換による児童文学・文化の輸出入―地域的特性と世界的な問題
・文化・言語圏内外における、児童文学のジャンルの形成と発展
・翻訳児童文学の「自国化」と「他国化」
・児童文学における仲介者の可視性と不可視性
・翻訳における、異世代間のダイナミクス(クロスオーバーフィクション、家族向け冒険映画、二つの異なる世代に向けた作品、対象年齢)
・絵と文の関係(挿絵のある物語の翻訳、絵本、ノベライズ、子ども向け映画の字幕翻訳)
・児童文学及びYAの翻訳出版におけるさまざまな調整(出版社や親からの要望、社会規範、子どもの認知能力、情緒的要求、想像の世界)
・翻訳やメディアの変換における、倫理・政治・美的な価値観のすりあわせ
・児童文学の翻訳、メディアの変換における著作権の問題

サブテーマ3 「異文化や多文化理解のための本を、子どもと若者に手渡す」
・子どもが、差異や多様性、アイデンティティの問題と向きあうにはどうしたらいいか
・文学を通じた、子どもの国際理解
・多文化教育と異文化教育
・移民や難民の子どもの物語、またそうした子どもと物語をわかちあうこと
・さまざまな国の児童文学を取り入れたカリキュラム
・批判的リテラシーと異文化理解
・教育の手段としての文学―過去・現在・未来
・創作と創造性
・異文化教育における劇
・新しいメディアと多様な読書体験
・図書館及び図書館員の役割の変化
・子どもの読書と読書推進
・視覚的な物語の教育的利用
・児童文学を通じた言語意識の形成と言語教育

大会事務局では、2017年8月30日から10月31日まで、これらのサブテーマに基づく発表の要旨を募集している。発表の採否は12月20日に通知される。発表全文の締切りは2018年3月31日、プレゼンテーションファイルの締切りは同年6月30日となっている。

Ref:

(2017.10.18 update)