「2017年度学校図書館調査」および「第63回学校読書調査」結果発表

【2017-105】

2017年11月、全国学校図書館協議会(全国SLA)は、「2017年度全国学校図書館調査」及び「第63回読書調査」の結果を公表した。調査結果の一部を以下に記す。

2017年度学校図書館調査

全国SLAは、1963年から毎年この調査を実施している。毎年調査される「蔵書」、「担当職員」、「経費」の3項目に加え、今回の調査では「新聞・雑誌の購読数」、「図書の購入と選定」、「図書の廃棄」、「障害者差別解消法への取組み」の4項目が特設された。

1校あたりの平均蔵書冊数は、小学校で9,941冊(前年比-276冊)、中学校で11,985冊(前年比+69冊)、高等学校で25,572冊(前年比-1,989冊)となり、小学校では昨年まで2年連続で1万冊を超えていたが、今年は1万冊以下となった。高等学校では昨年増加した分が再び減少し、一昨年の水準にもどった。

2016年度決算の1校あたりの図書購入費は、小学校52.6万円(前年比+2.8万円)、中学校は67.0万円(前年比-4.8万円)、高等学校は73.9万円(前年比-11.5万円)と、小学校を除いて減少している。

第63回学校読書調査

全国SLAは、毎日新聞社と共同で、全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況について毎年調査を行っている。毎年調査される「5月1か月間に読んだ本の冊数」「読んだ本の書名」「5月1か月間に読んだ雑誌の冊数」「ふだん読んでいる雑誌名」の4項目に加え、今回は「本を読まなかった理由」「好きな学習活動」「調べたり発表したりするためにしてほしいこと」「読書に関する行動」「読書のあとの行動」について調査が実施された。

2017年5月1か月間の平均読書冊数は、小学生は11.1冊(前年比-0.3冊)、中学生は4.5冊(前年比+0.3冊)、高校生は1.5冊(前年比+0.1冊)となり、全体的に大きな変化は見られない結果となったものの、中学生はここ数年増加傾向にある。

また、5月1か月間に読んだ本が0冊である「不読者」の割合は、小学生は5.6%(前年比+1.6%)、中学生は15.0%(前年比-0.4%)、高校生は50.4%(前年比-6.7%)となり、高校生の不読率の低下が目立った。理由は定かではないが、全国SLA調査部は、SNS等によって読書の情報が従来より早く伝わるようになったという事実を認識しておく必要があるとし、理由が明らかになれば読書離れに歯止めがかかるかもしれないと述べている。

「2017年度学校図書館調査」および「第63回学校読書調査」全項目の結果と分析は機関誌『学校図書館』2017年11月号に掲載されている。

Ref:

(2017.12.25 update)