2018年度学校図書館調査および第64回学校読書調査

【2018-128】

2018年11月1日、全国学校図書館協議会(全国SLA)は、2018年6月に実施された2018年度全国学校図書館調査および第64回読書調査の結果を公表した。調査結果の一部を以下に記す。

2018年度学校図書館調査

全国SLAは、1963年から毎年この調査を実施している。毎年調査している「蔵書」「担当職員」「経費」の3項目に加え、今回の調査では、「新聞・雑誌」「学校図書館活用」「読書指導年間計画」「図書以外の資料」「学習での学校図書館利用」「障害者差別解消法への対応」の6項目が特設された。

1校あたりの平均蔵書数は、小学校で9,856冊(前年度比-85冊)、中学校で12,585冊(前年度比+600冊)、高等学校で25,787冊(前年度比+215冊)となり、小学校のみ昨年に続き減少した。中学校は過去10年で最高の冊数となった。

2017年度決算の1校あたりの図書購入費は、小学校は48.9万円(前年度比-3.7万円)、中学校は68.0万円(前年度比+1万円)、高等学校は73.4万円(前年度比-0.5万円)となり、中学校のみ増加が見られた。

第64回学校読書調査

全国SLAは、毎日新聞社と共同で、全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況について毎年調査を行っている。毎年調査される「5月1か月間に読んだ本の冊数」「読んだ本の書名」「5月1か月間に読んだ雑誌の冊数」「ふだん読んでいる雑誌名」の4項目に加え、今回の調査では、「どんなときに本を読みたくなるか」「学校や家での読書にかかわる体験」「本を読むことがすきか」「くり返し読んだ本、考え方や生き方に影響を与えた本」「電子書籍の読書」「Web上の情報をどう思うか」の6項目が特設された。

2018年5月1か月の平均読書冊数は、小学生が9.8冊(前年比-1.3冊)、中学生が4.3冊(前年比-0.2冊)、高校生が1.3冊(前年比-0.2冊)となり、全体的に減少傾向にある。

また、5月1か月間に読んだ本が0冊である「不読者」の割合は、小学生が8.1%(前年比+2.5%)、中学生が15.3%(前年比+0.3%)、高校生が55.8%(前年比+5.4%)となった。昨年は高校生の不読率の低下が注目され、読書離れに歯止めをかけることが期待されていたが、今年は全体的に不読率が上昇している。



「2018年度学校図書館調査」および「第64回学校読書調査」全項目の結果と分析は機関誌『学校図書館』2018年11月号に掲載されている。また、「第64回学校読書調査」の詳細なデータは、2019年4月に発行される『読書世論調査 2019年版』(毎日新聞社刊)に掲載される予定である。

Ref:

(2018.12.25 update)