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児童文学者コーナー 谷川俊太郎

作家・画家紹介

谷川俊太郎肖像
撮影 菊池一郎

谷川俊太郎

1931- 著作一覧

詩集『二十億光年の孤独』で出発した谷川俊太郎のことばは、やがて、子ども読者にもむかいます。詩や絵本、童話、翻訳など、子どもの本の世界でも幅広く活躍し、子どもたちのことばを深く豊かに掘り起こす仕事をつづけています。

谷川俊太郎は、哲学者である父徹三と音楽学校出身の母多喜子の一人っ子として東京で育ちました。学校に対する違和感をかかえていた都立豊多摩高校時代に、詩を書きはじめます。高校を卒業した年に、父の友人の三好達治の推薦で「ネロ他五篇」が雑誌『文学界』に掲載され、詩人としてデビューすることになります。1952年には、第一詩集『二十億光年の孤独』が刊行されました。デビュー作のひとつ「ネロ」は、ネロという死んだ小犬に呼びかけながら、子ども時代との別れを語ります。第一詩集におさめられた作品のいくつかには、この宇宙に小さな命として生まれおちたことの孤独とかなしみが、ずいぶん透明な感じで書かれています。

つぎつぎと詩集を刊行して、詩人としての仕事を積み重ねると同時に、童話『けんはへっちゃら』(1965年)、絵本『こっぷ』(1972年)、詩集『ことばあそびうた』(1973年)など、子どもの本も手がけるようになります。『マザー・グースのうた』全5集(1975~76年)や、『スイミー』(1969年)をはじめとするレオ・レオニの絵本などの翻訳も数多くあります。詩人のことばは、子どもの本の可能性を大きく広げていきました。

『ことばあそびうた』や『わらべうた』(1981年)、『みみをすます』(1982年)などの詩集は、ひらがなばかりで書かれています。これらは、子どもたちが声に出して読み、楽しむ詩であるとともに、思想性を深めながらも、声に出して読むようなものではなくなってしまった、声という身体性をうしなった現代詩への批判にもなっています。谷川俊太郎の文学は、子どもの本と子ども読者にかかわることによって、より豊饒なものになっていったのではないでしょうか。

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児-3-1二十億光年の孤独
谷川俊太郎 著
サンリオ 1992(平成4)
当館請求記号 KH591-E12 (初版 911.56-Ta881n)
初版は1952(昭和27)年創元社刊。谷川俊太郎の第1詩集。1949(昭和24)年冬から1951(昭和26)年春ごろまでの作品。初版に未掲載の21編を「二十億光年の孤独拾遺」として収録。

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児-3-2うつむく青年 : 詩集
谷川俊太郎 著
サンリオ 1990(平成2)
当館請求記号 KH591-E5 (初版 KH591-3)
初版は1971(昭和46)年。あとがきによれば、「『新聞、雑誌のもとめに応じて書いた作品からえらんで』編んだもの」で、この本のおかげで、それまで知らなかった読者と出会えた大切な詩集とのこと。

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児-3-3はだか : 谷川俊太郎詩集
谷川俊太郎 著
筑摩書房 1988(昭和63)
当館請求記号 KH591-E2
子どもの経験や内面世界をひらがなだけで綴った詩集。挿絵は佐野洋子による。

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児-3-4にほんご
安野光雅 [ほか] 編集
福音館書店 1979(昭和54)
当館請求記号 Y7-7782
安野光雅、大岡信、谷川俊太郎、松居直による「文部省学習指導要領にとらわれない、小学一年生のための国語教科書」。テキストは主に谷川俊太郎が執筆。

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児-3-5わらべうた 上
谷川俊太郎 編
冨山房 1982(昭和57)
当館請求記号 Y8-245
マザー・グースを翻訳したのをきっかけに、日本の伝承わらべうたを再認識し、絵本の形でよみがえらせることを試みたという作品。装丁・挿絵は堀内誠一による。

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児-3-6わらべうた
谷川俊太郎 著
集英社 1981(昭和56)
当館請求記号 KH591-18
いまの子どもが口ずさみたくなるような、子どもの日常に即した新しい詩を書こうという一種の使命感により創作した、「現代のわらべうた」集。

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児-3-7みみをすます
谷川俊太郎 著
福音館書店 1982(昭和57)
当館請求記号 Y7-9888
声に出すことを意識して書いたひらがなの長編詩が6編収録されている。ゆっくり読んでもらうためにひらがなにしたという。柳生弦一郎による絵と装本。

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児-3-8どきん : 谷川俊太郎少年詩集
谷川俊太郎 著 和田誠 絵
理論社 1983(昭和58)
(詩の散歩道)
当館請求記号 Y8-459
テキストとモノクロの線描が調和した、作者初の子ども向けの詩集。「いしっころ」「うんこ」など、子どもと同じ目線で書かれた詩53編を収録。

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児-3-9いちねんせい
谷川俊太郎 詩 和田誠 絵
小学館 1988(昭和63)
当館請求記号 Y18-2973
「あいしてる」「わるくち」「ぱん」など、子どもの日常という具体性をとりこんだ小学校一年生のための詩集。23編を収録。

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児-3-10これはのみのぴこ
谷川俊太郎 作 和田誠 絵
サンリード 1989(平成元)
当館請求記号 Y17-N00-249
マザー・グースの翻訳の仕事の後に「ジャックのたてたいえ」から発想された積み上げ歌。初版は1979(昭和54)年。

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児-3-11けんはへっちゃら
谷川俊太郎 著 和田誠 絵
あかね書房 1965(昭和40)
(創作どうわ絵本 ; 7)
当館請求記号 Y17-35-[7]
長男賢作が5歳の年に出版された作者初の童話。同年の『しりとり』(私家版)に続くイラストレーター・和田誠との仕事の2作目。ポケットにあったひもが、物々交換を重ねてピストルになる話。

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児-3-12しのはきょろきょろ
谷川俊太郎 作 和田誠 絵
あかね書房 1969(昭和44)
(日本の創作幼年童話 ; 9)
当館請求記号 Y7-1458
5歳の「しの」が、デパートの中を探検し、お母さんの元へ戻る。物語は、子どもの目線で、空想と現実を交錯させながら、耳に心地よい文章で描かれている。

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児-3-13ワッハワッハハイのぼうけん
谷川俊太郎 作 和田誠 絵
講談社 1971(昭和46)
(講談社の創作童話 ; 10)
当館請求記号 Y7-2832
トピスカ島ゲタゲタ生まれの「ワッハ ワッハハイ」を主人公とした幼年童話集。詩的ではなく散文的な描写が、かえってこの作品に面白みを与えている。

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児-3-14こっぷ
谷川俊太郎 文 今村昌昭 写真 日下弘 AD
福音館書店 1976(昭和51)
(はじめてであう科学絵本)
当館請求記号 Y11-828
コップの用途や特性をユーモラスな言葉と写真で紹介した科学絵本。後に谷川はコップは自分にとってシンボルである旨を語っている。初出は『かがくのとも』35号(1972(昭和47)年)。

「もこもこもこ」のサムネイル

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児-3-15もこもこもこ
たにかわしゅんたろう さく もとながさだまさ え
文研出版 [1977(昭和52)]
(みるみる絵本)
当館請求記号 Y17-5294
抽象的な絵に「もこ」「ぱちん」などの擬態語や擬声語が添えられた、ナンセンス絵本。理解できないという大人もいるが、子どもから支持を得て版を重ねている。

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児-3-16ひとり
谷川俊太郎 文 三輪滋 絵
ばるん舎 1982(昭和57)
(シリーズ・ちいさなつぶやき)
当館請求記号 Y17-9386
ひとりぼっちでいて何が悪いのか、という主人公の決然とした主張を、英文併記と乾いたタッチのイラストが際立たせている。

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児-3-17ふたごのき
姉崎一馬 写真 谷川俊太郎 文
書房「樹」 1982(昭和57)
当館請求記号 Y17-9398
季節や時間によって雰囲気も色合いも異なる様々な写真により、2本の木の会話がいっそう趣き深いものになっている作品。

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児-3-18あな
谷川俊太郎 作 和田誠 画
福音館書店 1983(昭和58)
(こどものとも傑作集)
当館請求記号 Y17-9297
主人公が「ぼくのあな」を作り上げ、いつもと違う風景を眺める。シンプルなイラストだからこそ、自分だけの世界はかくも「ふかくてくら」いものかと考えさせられる。

児-3-19かわ
竹内敏信 写真 谷川俊太郎 詩
誠文堂新光社 1984(昭和59)
(しゃしんえほん)
当館請求記号 Y18-820
川の源、流れる様子、そして行き先までをたどる詩の情景を、風景写真を得意とする竹内氏の写真が雄弁に語っている。

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児-3-20よるのびょういん
谷川俊太郎 作 長野重一 写真
福音館書店 1985(昭和60)
(こどものとも傑作集)
当館請求記号 Y18-966
『こどものとも』 282号(1979(昭和54)年)が初出。夜中に救急患者の手術をする病院の様子を、モノクロ写真でドラマチックに描く。

児-3-21いっぽんの鉛筆のむこうに
谷川俊太郎 文 坂井信彦ほか 写真 堀内誠一 絵
福音館書店 1989(平成元)
(たくさんのふしぎ傑作集)
当館請求記号 Y1-1270
『たくさんのふしぎ』 1号(1985(昭和60)年)に初出。鉛筆作りに関わる人々の生活を描写。西条八十の詩「なくした鉛筆」も紹介されている。レイアウトは堀内誠一。

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児-3-22ままですすきですすてきです
谷川俊太郎 ぶん タイガー立石 え
福音館書店 1992(平成4)
(幼児絵本シリーズ)
当館請求記号 Y18-6520
『こどものとも 年少版』 115号(1986(昭和61)年)に初出。言葉遊び的なしりとりで、立石氏の絵が面白おかしく感じさせる。

「アレクサンダとぜんまいねずみ : ともだちをみつけたねずみのはなし」のサムネイル

「アレクサンダとぜんまいねずみ : ともだちをみつけたねずみのはなし」の拡大画像を開きます

児-3-23アレクサンダとぜんまいねずみ : ともだちをみつけたねずみのはなし
レオ・レオニ 作 谷川俊太郎 訳
好学社 [1975(昭和50)]
当館請求記号 Y17-4474
ねずみのアレクサンダがおもちゃのねずみを羨ましがるという筋の絵本。レオニ得意の貼り絵のような技法で描かれている。

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児-3-24おじいちゃん
ジョン・バーニンガム さく たにかわしゅんたろう やく
ほるぷ出版 1985(昭和60)
当館請求記号 Y18-1412
春から冬へと移りゆく季節とともに、仲良しのおじいちゃんと孫娘ののびやかな時間が積み重ねられていく。死を清々しくとらえた作品。

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児-3-25あるげつようびのあさ
ユリ・シュルヴィッツ 作 谷川俊太郎 訳
徳間書店 1994(平成6)
当館請求記号 Y18-10292
月曜日に王様と女王様と王子様が訪ねてきて、火曜日からはお供が増えて、日曜日には…。都会の日常生活に空想の世界が広がる。

「マザー・グース・ベスト(第1・2・3集)」のサムネイル

「マザー・グース・ベスト(第1・2・3集)」の拡大画像を開きます

児-3-26マザー・グース・ベスト(第1・2・3集)
谷川俊太郎 訳 堀内誠一 絵
草思社 2000(平成12)
当館請求記号 KS164-G815
『マザー・グースのうた』全5集(草思社、1975~76(昭和50~51))の中から有名な100編を収めた。同書は堀内誠一の斬新な絵とともに、イギリス伝承童謡を一般に広めた。画像は第1集。

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児-3-27スヌーピーのスクールデイズ
チャールズ M.シュルツ 作 谷川俊太郎 訳
角川書店 2010(平成22)
(角川つばさ文庫)
当館請求記号 Y16-N10-J30
ピーナッツの仲間たちのユニークな小学校生活を描いたコミック。1969(昭和44)年の『ピーナッツ・ブックス』から今日まで、スヌーピーはたくさんの本になり、多くの人に親しまれている。

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児-3-28鉄腕アトム
谷川俊太郎 著
『谷川俊太郎 : 谷川俊太郎ヴァラエティ・ブック「こ・ん・に・ち・は」』
マガジンハウス 1999(平成11)
(Magazine House mook.Brutus図書館)
当館請求記号 KH591-G14
手塚治虫原作で日本初の国産テレビアニメ(1963~66(昭和38~41)年放映)の主題歌を作詞。現在も様々にカバーされ使われている。