講談社の絵本

「講談社の絵本」とは

『こがね丸 : 名作童話』(Y17-N03-H1004)

『こがね丸 : 名作童話』(Y17-N03-H1004)

『孫悟空』(Y18-N03-H487)

『孫悟空』(Y18-N03-H487)

大日本雄弁会講談社が「幼年倶楽部」の前段階の読者層に向けて1936年12月に創刊。<読む雑誌から見る雑誌>として豪華な絵本をめざし、当時の一流の日本画、洋画の挿絵画家に依頼。1942年4月に終刊となり、その後「コドモヱバナシ」と改題し1944年3月まで続いた。戦後まもなく、1945年10月には「講談社の絵本 イッポンノワラ」を発刊するが4号で終刊となり、1946年2月に再び「コドモヱバナシ」と改題し、1958年9月まで刊行された。毎月4冊の同時発売を基本とし、戦後の復刊も含め総数7千万部という販売数を誇った。

当館の所蔵について

当館では戦前の「講談社の絵本」全203冊(図書扱い)および、1944年3月までの「コドモヱバナシ」と再刊の一部(ともに雑誌扱い。当館請求記号:Z32- B159)を2002年度に講談社から寄贈を受け所蔵している。占領期の講談社の絵本については、1巻2号の「手白猿」は所蔵しているが、他の3冊は所蔵していない。戦後の講談社の絵本については欠号も多いがある程度そろっている。「講談社の絵本 イッポンノワラ」は所蔵していない。

戦前の「講談社の絵本」シリーズの昔話や物語の一部は、戦後の同シリーズ内でも復刊されている。また、「ゴールド版」や「新・講談社の絵本」では挿絵はそのままに文章を他の作家が書き換えた版や、作家を変えて新しく刊行された作品などがある。1993年と1995年には"Kodansha children's classics"シリーズとして、英語版も出版されている。

「講談社の絵本」の調べ方

戦前期203冊の各巻内容については、『「子供が良くなる講談社の絵本」の研究 : 解説と細目データベース』阿部紀子 著 風間書房 2011.2(当館請求記号:YU7-J2936)II「講談社の絵本」叢書細目データベース(pp.113-337)および付属のCD-ROM、『日本児童文学大事典』第3巻 大阪国際児童文学館編 大日本図書 1993.10(当館請求記号:KG2-E42)講談社の絵本(pp.71-83)を参照するとよい。

また、『はじめて学ぶ日本の絵本史II:15年戦争下の絵本』鳥越信編 ミネルヴァ書房 2002.2(当館請求記号:KC511-G98)第8章「講談社の絵本」の功罪(pp.122-177)では、同シリーズの歴史的変遷や、偉人伝・昔話・知識の3分野について詳しく論じている。