ヴィクトリア朝の子どもの本:イングラムコレクションより

国際子ども図書館主催の展示会のお知らせです。

ヴィクトリア朝の子どもの本;イングラムコレクションより

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この展示会では、18世紀から20世紀にかけてのイギリスの児童書を中心とする当館の特別コレクション「イングラムコレクション」から、近代児童文学の黎明期にあたる19世紀の代表的な作品を中心に紹介し、現在に連なる児童文学の源流を探ります。 想像力にあふれた「子どものための文学」が生まれたヴィクトリア朝の子どもの本の魅力をお楽しみください。

<目次>

はじめに

ヴィクトリア女王の治世下(1837-1901)、産業革命による経済の発展を基礎に、政治・経済・文化のあらゆる面で世界に君臨した19世紀の「大英帝国」。都市化・工業化の進展は子どもを取り巻く社会環境を大きく変え、また工業化に伴う物質主義の蔓延と科学技術の進歩は旧来の宗教的倫理観にも動揺をもたらします。
貧しい子どもたちに聖書を教えるため、教訓的な物語をやさしく読めるような小冊子(トラクト)を配布する運動(日曜学校運動)を契機に普及し始めた子どもの本は、教育の普及に伴い子どもたちが自分で本を選べる環境が整うにつれ、次第に豊かな想像力に根差した「おもしろくて、ためになる」、子どもたちに楽しみを与えるものへと発展し、子どもたちの興味や関心に応えるさまざまなジャンルの作品が生まれます。
また、印刷技術の進歩は、子どもの本の挿絵などにも革命的な変化をもたらします。
近代化に向けた激動の中、社会の変化が人々の内面にも大きく影響を及ぼしたヴィクトリア朝の時代、近代児童文学は夜明けを迎えます。

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