本で巡る世界の国々
世界のさまざまな国・地域に関する翻訳作品を、もとの言語で書かれた版や英語版と一緒に紹介します。 (ここにあげた以外にも複数の翻訳が出ている本もあります。読み比べてみてください。)
国・地域 : イラク
バスラの図書館員
イラク南部の街バスラにある図書館の司書・アリアさんが、イラク戦争による被害から本を守ったお話です。
バスラに戦火が及んだ9日後、アリアさんの勤めていたバスラの中央図書館は焼失しました。アリアさんは、戦争前から少しずつ本を自分の車で運び、イギリス軍がバスラに迫ると街の人たちと協力して、3万冊もの本を避難させました。そして戦闘が終わった後も、アリアさんは自宅や友人の家でそれらの本を守りました。当時イラクでは、こうした対策を行えなかった施設で多くの資料が失われました。
ジャネット・ウィンターによる本書の挿絵はやや抽象的で戦争の凄惨さこそ控えめですが、人災である戦争によって文化財が失われることへの抵抗、平和への希求が強く感じられます。
原書情報(英語)
The librarian of Basra : a true story from Iraq
Winter, Jeanette
Harcourt, Inc. 2005
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