スクールバスを移動図書館にする試み(米国)

【2017-071】

米国ジョージア州で、夏休みのあいだに学力が低下する現象“summer slide”を防ぐため、スクールバスを移動図書館にする試みが実施された。

郡内の公立学校を管轄する、グイネット郡公共教育学区(Gwinnett County Public Schools: GCPS)は、2017年6月1日から、改装し移動図書館となったスクールバスの運行を実施している。本棚や照明、空調設備などにかかったバスの改装資金40,000ドルは、郡の資金のほかに、スポンサーからの出資や寄付によって賄われ、改装にはボランティアの人々の手も加わった。ポップな水玉模様に塗られたバスには、グイネット郡の小学校、中学校、高校の学校図書館メディアセンターから集められた5,000冊の本が搭載された。また、慈善福祉団体United Wayのデータをもとにバスが最も必要と思われるエリアが特定され、公共図書館の近接地をはずして35か所の停留所が設けられた。メディアセンターの専門職員を二人乗せたバスは、週5日でこれらの停留所を巡るが、毎週おなじルートを回るので、生徒たちは借りた本を返し、また新たに本を借りていくことができる。今回の試みでは、最初の7週間で、245回停留所に停まり、利用者は5,248人、借りられた本は7,607冊となった。

夏休みが終わったあとも、学校の読書プログラムに刺激をもたらすために、各学校のメディアセンターの専門職員が、移動図書館に回ってきてもらうよう予約できるようになる予定である。

Ref:

(2017.08.20 update)