2018年IBBY朝日国際児童図書普及賞、受賞団体発表

【2018-033】

国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People: IBBY)は、2018年3月26日、IBBY朝日国際児童図書普及賞(IBBY-Asahi Reading Promotion Award)の受賞団体について、フランスが推薦した「夢見る指先」(Les Doigts Qui Rêvent, Dreaming Fingers)に決定したと発表した。同賞は、1986年に東京で開催された第20回IBBY世界大会を記念して、朝日新聞社がスポンサーとなり創設された。青少年の読書推進のために優れた活動を行い、永続的な貢献をした団体・専門機関が、各国支部からの推薦を受けて隔年で選出され、賞金1万ドルが贈られる。授与式は、8月にアテネ(ギリシャ)で開催されるIBBY世界大会で行われる。

「夢見る指先」(Les Doigts Qui Rêvent, Dreaming Fingers)

フランスのタランの教員が、触って読める絵本を100部製作したことが契機となり、1993年に設立された。目の見える子どもと同じように、目の見えない子どもにも質の高い絵本を手渡したいという思いから、触って読める絵本について知ってもらい、それを普及させることを目指して活動している。国際的なネットワークの構築や大量生産によって、出版にかかるコストを抑えることで、貧しい地域にも本を届けることを実現した。また、目の見えない子どもが普通学校で学ぶのを、ワークショップを通して支援したり、触って読める絵本を公共図書館に置いてもらえるよう働きかけたりしているほか、そうした絵本の研究も大学と共同で行っている。

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(2018.05.09 update)