国際子どもの本の日(4月2日)

【2019-042】

国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People: IBBY)は、デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの誕生日である4月2日を「国際子どもの本の日」(International Children’ s Book Day)と定め、世界各地で様々なイベントを開催し、読書推進および子どもの本への関心を呼びかけている。1967年からは、IBBY加盟国が毎年順番にポスターとメッセージを作成し、世界の子どもたちに届けている。

2019年は、リトアニア共和国が担当し、国際アンデルセン賞の候補にもなった絵本作家ケストゥティス・カスパラーヴィチュス(Kęstutis Kasparavičius)によるメッセージとポスターが公開された。カスパラーヴィチュスは、“Books help us slow down”(本はいそがなくてもいいことを教えてくれる)と題したメッセージのなかで、「本は私たちにいそがなくてもいいことを教え、大切なことに気づかせてくれます」と語っている。IBBY日本支部である日本児童図書評議会(Japanese Board on Books for Young People: JBBY)によって翻訳されたメッセージとポスターは、JBBYのウェブサイトで閲覧できるほか、全国の公立図書館等に配布される。

また、JBBYは、国際子どもの本の日に伴い、2001年から毎年「子どもの本の日フェスティバル」を開催しており、2019年は3月23日および24日に実施された。世界各地で近年出版された本やバリアフリー図書等の展示のほか、子どもの本の作家や翻訳家による講演、絵本作家によるワークショップ、司書によるブックトーク、おはなし会やコンサート、サイン会など様々なイベントが行われた。

第1回〈子どもの本の木〉子どもJBBY賞

JBBYは、「子どもの本の日フェスティバル」で行なった「子どもの本の木」(子どもたちが、会場内にある500冊以上の本の中から見つけたお気に入りの本の名前を紙の葉っぱに書き、布に描かれた大きな木に貼るプログラム)に寄せられた作品のうち、数が多かったものを「第1回〈子どもの本の木〉子どもJBBY賞」として発表した。結果は以下のとおり。

第1位  『魔女の宅急便』(角野栄子 作、福音館書店)

第2位  『ごちそうの木』(ジョン・キラカ 作、さくまゆみこ 訳、西村書店)

第3位  『えとえとがっせん』(石黒亜矢子 作、WAVE出版)

     『きみちゃんとふしぎねこ』(藤原ヒロコ さくえ、ひさかたチャイルド)

     『このあとどうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ 作、ブロンズ新社)

     『わくせいキャベジどうぶつずかん』(tuperatupera 作・絵、アリス館)

第4位  『みえるとかみえないとか』(ヨシタケシンスケ さく、伊藤亜紗 そうだん、アリス館)

     『とべバッタ』(田島征三 作、偕成社)

     『ドームがたり』(アーサー・ビナード 文、スズキコージ 画、玉川大学出版部)

     『ネコヅメのよる』(町田尚子 作、WAVE出版)

     『ペーパーボーイ』(ヴィンス・ヴォーター 作、原田勝 訳、岩波書店)

Ref:

(2019.04.23 update)