子どもの読書傾向に関する調査 “What Kids Are Reading”(英国)

【2019-056】

英国ダンディー大学(University of Dundee)の Keith Topping 教授が、子どもの読書傾向に関する調査 “What Kids Are Reading” の結果を発表した。2019年で11回目となるこの調査は、英国国内の小中等学校(Primary / Secondary schools)4,914校の児童・生徒約1,057,720人を対象に行われた。

主な調査結果は以下のとおりである。

  • 子どもの能力・教育段階を問わず、その子に適したレベルの本であれば、長時間読むほど理解度が上がる。
  • 難しい本であっても、好きな本ならば子どもは理解して読むことができる。
  • 読書の時間と子どもの語彙量には明らかな関連性がある。
  • 前回調査と比較して、子どもはより長い本を読む傾向にある。
  • 3年生を境に、読む本の冊数は減少する。
  • 小学校では、学年が上がるごとに読む本の難易度は著しく上がる。しかし中等学校入学後の7~8年生の伸び率は大きくなく、10~13年生になると難易度は下がる。
  • 小学校では自分のレベルに合った本を理解して読んでいるが、中等学校では自分のレベル以下の本を読み、また理解度も高くない。
  • ノンフィクションはフィクションほど丁寧に読まれていない。

この調査結果を受けて、以下の提案が示された。

  • よく本を読む子どもも読まない子どもも、中等学校では難易度の低い本を読んでいるので、より難しい本を読むよう働きかける必要がある。
  • 中等学校で読まれているノンフィクションは特に、難易度が非常に低く、男子が読む本はテーマが偏っている。より難しく、幅広い内容の本を読むような働きかけが求められる。

Ref:

(2019.05.28 update)