LGBTQ+を扱った絵本のコレクションを構築するためのツールキット

【2019-057】

カナダのウェスタン大学図書館情報学修士課程の学生4人が、図書館向けに、LGBTQ+を扱った絵本のコレクションを構築するためのツールキットを作成し、公開している。

――私たちにとって、LGBTQ+を扱った絵本に描かれる多様性は、様々な世界観を教えてくれるだけでなく、私たちがLGBTQ+である子どもや家族の在り方を理解する上でも重要だ。また、当事者である子どもや家族が、絵本に描かれた子どもや家族に共感することができるという面で、図書館にとって価値ある資料である。

そう述べるこのツールキットは、LGBTQ+を扱った絵本は図書館にとって貴重な資料であり、コレクションを構築する際は、それぞれの絵本の価値をしっかりと評価する必要があるとして、その方法を紹介している。LGBTQ+を扱った絵本を評価する際の手引きをはじめ、LGBTQ+を扱った絵本について、おすすめの本、関係する文学賞や出版社、有用な情報源となる機関や団体のほか、検閲から守るための方法が掲載されている。

おすすめの本として紹介されている30冊の絵本のうち、“And Tango Makes Three”(邦訳『タンタンタンゴはパパふたり』)、“The Family Book”(邦訳『いろいろかぞく』)、“Red: A Crayon’s Story”(邦訳『レッド あかくてあおいクレヨンのはなし』)、“Introducing Teddy: A gentle story about gender and friendship”(邦訳『くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし』)、“A Day in the Life of Marlon Bundo”(邦訳『にじいろのしあわせ マーロン・ブンドのあるいちにち』)の5冊は日本でも邦訳が出版されている。

Ref:

  • Western Libraries > FACULTIES > Information & Media Studies (FIMS) > Fims Publications > 261 > Building and Maintaining LGBTQ+ Picture Book Collections
    https://ir.lib.uwo.ca/fimspub/261/
  • LGBTQ+を扱った絵本のコレクション構築のためのツールキットが公開(カレントアウェアネス-R、2019. 4. 25)
    http://current.ndl.go.jp/node/38018
(2019.05.28 update)