困難な状況にある子どものためのブックリスト(ALSC)

【2019-100】

2019年5月、米国図書館協会(American Library Association: ALA)の児童図書館サービス部会 (The Association for Library Service to Children: ALSC)が、困難な状況にある子どもたちのためのブックリスト“ALSC Tough Topics Booklist 2019”を発表した。

リストは、K-2nd(5~7歳)、3rd–5th(8~10歳)、6th-8th(11~13歳)の3段階に分けられ、困難な状況にある子どもたちとの会話の糸口ともなり得るような本がトピックごとに簡単なあらすじとともに数冊ずつ、各リストに45~50冊ほど紹介されている。すべてのリストに共通するトピックとして「養子縁組」「身体イメージ・自尊心」「いじめ」「親の離婚・ひとり親家庭」「死の悲しみ」「家庭環境の変化」「難病」「移民」「自然災害」「立ち直る力」「心的外傷・暴力・戦争」等を扱っており、これに加えて3rd–5th(8~10歳)および6th-8th(11~13歳)のリストでは「中毒・薬物乱用」「自殺」、6th-8th(11~13歳)のリストでは「性的虐待」のトピックも取り上げている。リストの最後には大人向けの資料として、困難な状況にいる子どもと接する際に参考になるような本や記事、ウェブサイトの情報も掲載されている。

ALSCのウェブサイトから、リストのPDF版をダウンロードすることができる。

なお、紹介されている書籍のうち邦訳されているものとしては以下がある。

『わたしはヴァネッサと歩く クラスのいじめを止めさせた、たった一つの行動』(ケラスコエット 作・絵、岩崎書店、2018年、ISBN:978-4-265-85119-5、当館請求記号:Y18-N18-L32)

『ジャーニー 国境をこえて』(フランチェスカ・サンナ 作、青山真知子 訳、きじとら出版、2018年、ISBN: 978-4-908214-10-3、当館請求記号:Y18-N18-L201)

『レイミー・ナイチンゲール』(ケイト・ディカミロ 作、長友恵子 訳、岩波書店、2017年、ISBN:978-4-00-116008-6、当館請求記号:Y9-N17-L105)

『石たちの声がきこえる』マーグリート・ルアーズ 作、ニザール・アリー・バドル 絵、前田君江 訳、新日本出版社、2018年、ISBN:978-4-406-06270-1、当館請求記号:Y1-N18-L372)

『セミ』(ショーン・タン 著、岸本佐知子 訳、河出書房新社、2019年、ISBN:978-4-309-29019-5、当館請求記号:KC482-M63)※

『スピーク』(ローリー・ハルツ・アンダーソン 著、金原瑞人 訳、主婦の友社、2004年、ISBN:4-07-239758-X、当館請求記号:KS151-H39)※

※印の資料は、本記事掲載日時点で東京本館でのみ所蔵。

Ref:

(2019.08.26 update)