包摂的(インクルーシブ)な学習者・市民を育むための学校図書館員向けのガイド(米国)

【2019-110】

2019年7月30日、米国図書館協会(American Library Association:ALA)の 米国学校図書館員協会(American Association of School Librarians : AASL)が、他者を排除せず受け入れる学習者や市民を育むための学校図書館員向けのガイド“Developing Inclusive Learners and Citizens Activity Guide”を公開した。

同ガイドは、AASLの「全国学校図書館基準」("National School Library Standards" )における、「六つの共通認識」(Shared Foundation:学習者、学校図書館員、学校図書館の三者が共有すべき基盤)である「探究」(Inquire)「包摂」(Include)「協働」(Collaborate)「整理」(Curate)「探索」(Explore)「関与」(Engage)のうちの「包摂」に基づくものである。

ガイドでは、学校図書館員および学習者が、バランスのとれた視点、グローバルな学習、共感性、寛容性、公平性を追求することができるような計画、活動、資料が示され、学習者のための包摂的な指導と環境の重要性について視覚化して示し、「思考」(Think)「創造」(Create)「共有」(Share)「成長」(Grow)という4つの学習領域を反映した、学習者、学校図書館員、学校図書館の三者において想定されるシナリオが紹介されている。例として、難民やLGBTQ+、宗教行事に対するジレンマ、学校におけるいじめ等がある。

AASLの前会長であるKathryn Roots Lewisは、「学校図書館員はパイプ役として、公平さと知識、優しさをもって学習者とつながる存在であり、学校図書館は、全ての学習者が自らの物語を探求し、気づきを得て、自分自身を知ることに喜びを見出すことができる場所である。このガイドは、学校図書館員にとって、「六つの共通認識」の一つである「包摂」を実践するために必要不可欠な資料となっている」と述べている。

Ref:

(2019.09.24 update)