国立国会図書館国際子ども図書館 子どもの読書活動推進支援計画 2015(2019改訂版)

平成27年3月27日 国図子1503191号
改訂 令和元年5月17日 国図子1905054号

1. 経緯及び目的

国立国会図書館国際子ども図書館(以下「国際子ども図書館」という。)は、立法府に属する国立国会図書館の組織として、また、国立の児童書専門図書館として、平成12年の開館以来、関係諸機関と連携しながら様々なサービスを行ってきました。
この間、平成13年12月に「子どもの読書活動の推進に関する法律」(平成13年法律第154号)が制定されました。同法に基づき、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定され、政府や地方自治体において、子どもの読書環境を整備するための施策が展開されています。
立法府に属する国際子ども図書館においても、同法の理念を踏まえ、児童書の専門図書館として全国の図書館等における子どもの読書活動推進の取組に資するとの立場から、平成22年度に「国立国会図書館国際子ども図書館 子どもの読書活動推進支援計画 2010」を策定し、これに沿って、インターネットを活用した情報発信の強化、児童サービス関係者の連携促進や子どもの読書活動推進に係る調査研究等に取り組みました。平成26年度には、後継計画に当たる「国立国会図書館国際子ども図書館 子どもの読書活動推進支援計画 2015」(以下「読推2015」という。)を策定し、平成27年度に完了する施設の増築・改築後に展開するサービスの計画を掲げました。
施設の増築・改築後は、計画していたサービスを展開するだけでなく、当初「読推2015」に記載していなかった新たなサービスも開始しています。
これに加えて、平成28年度には、国立国会図書館中期ビジョン「ユニバーサル・アクセス2020」及び「国立国会図書館活動目標2017-2020」が策定され、また、平成30年4月に政府の「第4次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定されるなど、国際子ども図書館をめぐる状況の変化も見られます。
これらの動きを受けて、「読推2015」に記した内容を中間総括し、それを踏まえた改訂を行うこととしました。改訂では、平成27年度に完了した施設の増築・改修後の国際子ども図書館における取組の進捗や状況の変化を反映するとともに、国立国会図書館中期ビジョン「ユニバーサル・アクセス2020」及び「国立国会図書館活動目標2017-2020」に合わせ、計画期間を令和2(2020)年度まで延長することとします。
国際子ども図書館は、引き続き、関係諸機関と連携しながら、子どもの継続的な読書や身近な図書館の利用につながるサービスを提供するとともに、子どもの読書活動の推進を支援するため、子どもの本と読書に関する情報発信及び研修等の取組の充実を図ります。

2. 計画期間

平成27(2015)年度から令和2(2020)年度までの6年間

3. 支援対象

全国の公共図書館、学校図書館、文庫等の児童サービス関係者

4. 取組方針

国際子ども図書館は、国立国会図書館の一組織として、国内外の児童書及び児童書研究資料や関連情報の収集・保存・整備に努めるとともに、その所蔵資料を始めとする各種情報資源を活用し、関係諸機関と連携して、次の四つの方針に沿った支援を行います。

  • (1)子どもの読書に関する情報発信
  • (2)人材育成及びネットワーク構築
  • (3)国際子ども図書館における実践
  • (4)所蔵資料等を活用した情報提供

5. 取組事項

  • (1)子どもの読書に関する情報発信
    1. 国際子ども図書館ホームページにおいて、児童書に関する情報や子どもの読書活動推進に資する情報をより分かりやすい形で提供します。
    2. 国際子ども図書館メールマガジンを配信するとともに、各種媒体を活用して、積極的に情報を提供します。
  • (2)人材育成及びネットワーク構築
    1. 児童サービス担当者を対象に、児童サービスに関する基礎的な集合研修の一つとして、また、関係者が一堂に会して事例紹介・意見交換・相互交流できる場として、「児童サービス研究交流会」を毎年度開催します。
    2. 児童書に関する知識かん養に資するため、「児童文学連続講座」を開催し、そのうち基礎的な科目については、インターネットを通じた受講も可能となるよう、遠隔研修の教材として公開し、継続して公開科目の充実を図ります。
    3. 児童書や児童サービスに関する基礎的な研修には、国立国会図書館が実施する派遣研修の枠組みで、講師を派遣します。
    4. 児童書の出版状況に関する基礎的調査、読書活動推進の現場に資する調査研究を実施します。
  • (3)国際子ども図書館における実践
    1. 中高生を対象とする調べもの体験プログラム及び講演会、乳幼児向けのわらべうたと絵本の会、幼児・小学生向けのおはなし会等を実施します。
    2. 児童サービスにおける蔵書構築の例として、調べものの部屋、子どものへや、世界を知るへやに配置している各分野の資料リストを紹介します。
    3. 国際子ども図書館ホームページにおいて、キッズページ、子どもOPAC、中高生向け電子展示会など、子どもの図書館利用の契機となるようなコンテンツを提供します。
    4. 学校図書館セット貸出しを継続し、資料選定手順や活用事例の紹介を行います。また、新たに科学の本のセットを作り、活用します。
  • (4)所蔵資料等を活用した情報提供
    1. 国立国会図書館オンライン等で提供する児童書の書誌に件名付与やあらすじの追加を行い、検索の利便性向上に取り組みます。
    2. 各種図書館を対象に、児童書に関するレファレンス、図書館間貸出し、遠隔複写サービスを継続して実施します。
    3. 児童書及び児童サービスに関する情報の調べ方案内を提供し、レファレンス協同データベースで事例を紹介します。
    4. 児童書研究資料室内に、読書活動推進支援コーナーを設置し、読書活動に関する国内外の資料や情報を提供します。
    5. 本の魅力に触れ、本に親しむ契機となる場として、本のミュージアムや平成27年度に新設する児童書ギャラリーでの展示のほか、各資料室でも随時小展示を行い、展示資料リストを提供します。

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