児童文学連続講座 平成17年度

講義内容・時間割

総合テーマ 「日本児童文学の流れ」

監修 石井 直人(白百合女子大学教授)

1日目 10月17日(月)

時間 講義名 講師・講義紹介
9:30-10:00 開会の挨拶及び受講者紹介 国際子ども図書館職員
10:00-12:00 童話の時代、小説の時代−童話伝統批判前後 神宮 輝夫(青山学院大学名誉教授)
今までほとんど問題にされなかった戦後十年の童話と小説は、その内容を知るとじつに面白い。そのダイナミックな時代が、1953年の早大童話会によるいわゆる「少年文学宣言や、1960年発刊の「子どもと文学」の主張以後の、沸き立つような10年間の新しい作品群と、どこがつながり、どこが切れているかを、具体的作品に即してお話しします。 
13:00-15:00 「日本の絵本」 吉田 新一(国立国会図書館客員調査員、立教大学名誉教授)
満洲事変勃発から、アジア・太平洋戦争敗戦までの、いわゆる<15年戦争期>に出版されて、時代の趨勢に流されることがなかった絵本を中心に、当時の模索する絵本の姿を追ってみることにします。
15:30-17:00 「国際子ども図書館の蔵書構成とその特色」(施設見学含む) 国際子ども図書館職員

2日目 10月18日(火)

時間 講義名 講師・講義紹介
10:00-12:00 「童話の系譜」 宮川 健郎(明星大学教授)
詩的・象徴的なことばで心象風景を描く「童話」。小川未明、宮沢賢治、立原えりか、安房直子、斎藤隆介、あまんきみこ、江国香織…大正期にはじまり現代につづく、「童話」の系譜をたどり、その思想と方法について考えます。
13:00-15:00 「タブーの崩壊」とヤングアダルト文学 石井 直人(白百合女子大学教授)
『日本児童文学』1978年5月号の特集は「タブーの崩壊−性・自殺・家出・離婚」でした。子どもの文学でも「人間の陰の部分の物語化」がなされるようになったのです。その後、この流れは「癒しの文学」や新しいタイプのヤングアダルト文学へと続きます。今江祥智や岩瀬成子から森絵都や石田衣良といった作家の意味について考えます。
15:30-17:00 「児童書総合目録活用術」 国際子ども図書館職員

3日目 10月19日(水)

時間 講義名 講師・講義紹介
10:00-12:00 日本のファンタジー 井辻 朱美(白百合女子大学教授)
現代日本の人気ネオ・ファンタジー作家といえる人たち、荻原規子、上橋菜穂子、梨木香歩、小野不由美さんらを取り上げ、どこが新しいのか、おもしろいのか、翻訳ファンタジーからの影響も含めて考えてみたいと思います。
13:00-15:00 エンターテインメントの変遷 佐藤 宗子(千葉大学教授)
児童文学における<エンターテインメント>性とは何かという問題意識の上にたって、昭和初年の『少年倶楽部』の時期から現代までを、いくつかのポイントにしぼりながら振り返ります。
15:15-16:30 「日本児童文学の流れを知るために−参考図書の紹介」 国際子ども図書館職員
16:30-17:00 研修生意見交換会 国際子ども図書館職員

平成17年度児童文学連続講座講義録「日本児童文学の流れ」

※本講義録「日本児童文学の流れ」の印刷版は、社団法人日本図書館協会から発売されています。印刷版の入手に関するお問い合わせは下記までお願いします。

社団法人日本図書館協会
〒104−0033 中央区新川1−11−14
TEL:03−3523−0812(販売直通)

※フルバージョンとライトバージョンの違い
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問い合わせ先

国立国会図書館国際子ども図書館 企画協力課協力係
TEL:03-3827-2053(開館日の9:30~17:00) FAX:03-3827-2043
〒110-0007東京都台東区上野公園12-49

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