よんでみる?
もりのほうせきねんきん
新井文彦 写真・文
ポプラ社 2018.5
ねんきんは、ぬるぬるねばねばした生きものです。地面の下やくさった木の中など、暗くしめった場所でくらしているので、目立たない生きものと思うかもしれません。しかし、赤や黄色、きんぞくのような銀色、ガラスでできた花びらのように見えるものなど、まるでほうせきのように美しい色や形のものもいます。
手や足がないねんきんは、アメーバのように形をかえながら動き回ります。やがて暗いところから明るいところへ出たねんきんは、へんしんしてほうしをつくります。このほうしのふくろが、ほうせきのようにきれいなすがたなのです。ほうしが風にとばされてどこかに落ちると、カラがやぶれてねんきんのあかちゃんが生まれます。小さいけれどしっかり生きているねんきんの世界をのぞいてみませんか。(2021.9)
※「ほうし」…胞子。シダ植物やコケ植物、藻類(そうるい)、菌類(きんるい)などにつくられる。