よんでみる?
黒部の谷の小さな山小屋
星野秀樹 写真・文
アリス館 2023
この本では、富山県(とやまけん)にある日本で一番深い谷、黒部峡谷(くろべきょうこく)のしぜんにかこまれた山小屋と、そこではたらく人たちを紹介(しょうかい)しています。
トロッコ列車をおりて、下の廊下(しものろうか)とよばれる山道を進んでいくと、高い山にはさまれた山小屋があります。この小さな山小屋は、毎年たて直されているそうですが、それはなぜでしょう?
答えは、「雪の重みでつぶされないように」です。冬が来る前に、小屋をこわして屋根や鉄の柱をトンネルにしまいます。6月になると3日がかりでまた小屋をたて直します。この作業を、毎年くり返します。黒部の山小屋は1年のうち3か月くらいしか使われない、めずらしい山小屋なのです。
山小屋のご主人は、山に登る人たちが安全にしぜんを楽しめるように仕事をしています。この本を読むと、山小屋の仕事の大切さがよくわかります。(2025.7)