研修・交流

児童文学連続講座 平成25年度

総合テーマ
「英米児童文学をめぐる時代と環境」

児童文学というと、時代や社会的な背景とは関係のない無時間性のなかに生まれてくると思われることがあるようです。しかし、児童文学を書いているのはおとなであり、そのおとなは、読者である子どもに、過去自分がそうであった子ども時代を思い出しつつ、現在ある子どもたちに語りかけ、未来におとなになる子どもたちに、あってほしい姿を示そうとします。児童文学の中の子ども像には、「過去・現在・未来」の時が幾層にも重なり合って、反映されていることがわかるかと思います。今回の講座では、「時代」を子どもたちに語る歴史小説から始め、「セクシュアリティ」、「環境」、「ジェンダー」などがどういうふうに時代と絡みつつ、子どもたちに語られてきたか、そして語られているかを、英米の児童文学を中心に、考えてみたいと思います。

監修 川端 有子(日本女子大学家政学部児童学科教授、国立国会図書館客員調査員)

川端 有子(かわばた ありこ)

関西学院大学大学院博士課程満期退学、英国ローハンプトン大学にてPhD(児童文学)を取得。愛知県立大学外国語学部を経て、現在は日本女子大学家政学部児童学科教授。日本イギリス児童文学会会長、国立国会図書館客員調査員(平成24年度~)。
編著書『本を読む少女たち :ジョー、アン、メアリーの世界』『少女小説から世界が見る : ペリーヌはなぜ英語が話せたか』、『「もの」から読み解く世界児童文学事典』(共編著)等。

講座概要

総合テーマ 「英米児童文学をめぐる時代と環境」
監修 川端 有子(日本女子大学家政学部児童学科教授)
開催時期 平成25年11月11日(月)、12日(火)
会場 国際子ども図書館 3階 ホール
対象 現在、図書館などにおいて児童サービスに従事する方。
1機関1名。定員60名。2日間連続して受講できる方を優先します。応募多数の場合は調整させていただきます。
備考 連続講座の全課程を修了した方に対し、国際子ども図書館長名の修了証書を授与します。

時間割

※講義内容の詳細については、講義内容の項目をご覧ください。

1日目 11月11日(月)

時間 内容
9時 受付開始
9時30分~10時10分 館内見学 (希望者のみ)
10時10分~10時15分 開講挨拶・諸注意
10時15分~10時30分 はじめに
10時30分~12時10分 イギリスの歴史物語の流れ
12時10分~13時10分 休憩
13時10分~14時50分 児童文学が描くイギリスの風土と子ども
14時50分~15時 休憩
15時~16時40分 児童文学とセクシュアル・マイノリティ
16時40分~17時 グループ討議オリエンテーション

2日目 11月12日(火)

時間 内容
9時30分 受付開始
10時~11時40分 歴史とジェンダーをめぐって-バーネットの『小公子』『小公女』とマロの『家なき子』『家なき娘』
11時40分~12時50分 休憩
12時50分~13時30分 資料紹介
13時30分~13時45分 講義のまとめ
13時45分~13時55分 休憩
13時55分~14時55分 グループ討議
14時55分~15時05分 休憩
15時05分~15時55分 グループ討議(発表・講評)
15時55分~16時 挨拶・修了証書授与

講義内容

1日目 11月11日(月)

はじめに
川端 有子(日本女子大学家政学部児童学科教授、国立国会図書館客員調査員)
イギリスの歴史物語の流れ
本間 裕子(青山学院大学非常勤講師)
児童文学の中でも、とりわけ歴史物語は作品が著された時代の考えが如実に現れる分野でしょう。イギリスで同じ歴史が繰り返し語られる流れをたどっていくことにより、時代とともに変わる歴史観の変遷を確かめていきます。
児童文学が描くイギリスの風土と子ども
内藤 貴子(昭和女子大学・東京女子大学・和洋女子大学ほか非常勤講師)
風土とは、気候や地形といった自然環境に加え、歴史・文化的環境も含みます。イギリス地図を片手に旅をする気分で、子どもが風土と築く精神的・身体的・歴史的関係を児童文学作品から探ります。20 世紀の作品にもふれながら、アーモンド『ヘヴンアイズ』やダウド『ボグ・チャイルド』など近年の作品を掘り下げて考えます。
児童文学とセクシュアル・マイノリティ
水間 千恵(川口短期大学こども学科専任講師)
本講義では、「LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual and Transgender)児童文学」と呼ばれるジャンルの歴史をたどりながら、児童文学がセクシュアル・マイノリティ(身体上の性、性自認、性的指向に関して社会的に少数派の立場にある人々)をどのように描いてきたかを明らかにします。

2日目 11月12日(火)

歴史とジェンダーをめぐって-バーネットの『小公子』『小公女』とマロの『家なき子』『家なき娘』
川端 有子
バーネットの『小公子』と『小公女』、マロの『家なき子』『家なき娘』は対になったような題名をもち、混同されがちです。同時代ではあっても、関係なく書かれたこれらの四作ではありますが、興味深い関連が見られます。書き手が女性/男性、主人公が男の子/女の子、そのジェンダーの交錯を歴史的背景と絡めて考えます。
資料紹介
国際子ども図書館職員

講義録

  • 印刷版

本講義録「英米児童文学をめぐる時代と環境」の印刷版は、公益社団法人日本図書館協会から発売されています。印刷版の入手に関するお問い合わせは下記までお願いします。

公益社団法人日本図書館協会
〒104-0033 中央区新川1-11-14
電話:03-3523-0812(販売直通)

問い合わせ先

国立国会図書館国際子ども図書館 企画協力課協力係
電話:03-3827-2053(開館日の9時30分~17時) FAX:03-3827-2043
〒110-0007東京都台東区上野公園12-49

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