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国立国会図書館 国際子ども図書館 「調べる・学ぶ・読む」中高生向け

調べものをする

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はじめに

ここでは、学校の宿題や調べものをする時の、テーマの選び方、調べ方、調べた情報のまとめ方を紹介します。


テーマを選ぶ

ふだんの授業で興味を持ったことや、日常生活で疑問に思っていること、テレビのニュースやネットの記事で気になったことなど、「もっと知りたい」「もう少し詳しく知りたい」と自分が思ったテーマを選ぶことで、調べもののモチベーションが高まるでしょう。

うまくテーマが見つからない場合には、5W1H、すなわちWhen(いつ)、Who(だれが)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の視点から身近なものごとを考えることで、テーマの発見につながるかもしれません。

以下の順序にそって、自分が調べやすいテーマを探してみましょう。

  • 大ざっぱなテーマを頭に浮かべる。
    (例:「日米野球の違い」を調べてみようかな?)
  • テーマを表す言葉を百科事典で調べる。
    (例:百科事典で「野球」の項目を読んでみる)
  • さらに詳しいテーマに絞りこむ。
    (例:「日米の野球用語の違い」を調べてみようかな?)
    調べている途中でテーマを変えることもできます。
    (例:「アメリカのリトルリーグ」について調べてみようかな?)

紙に書きながら考えをまとめていく方法も効果的です。


情報源を選ぶ

3-1 さまざまな情報源

紙の情報源には、本、雑誌、新聞などがあります。自分では買えない高価な本も、近所のコンビニエンスストアでは見かけない雑誌も、数年前に発行された新聞も、たいていの場合、図書館に行けば読むことができます。
調べたいことを全体的に知るには参考図書[?]、特定の分野について詳しく知るには専門書や学術誌、本になっていない情報を入手するには新聞や雑誌など、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

本のなかでも、百科事典や辞書など、調べものによく使うものを参考図書といいます。多くの図書館では、参考図書をまとめて置いています。紙の本ではなく、データベース[?]になっている場合もあります。

雑誌

コンビニなどで見かける一般誌のほかに、業界動向が載っている専門誌、研究論文が載っている学術誌などがあります。学術誌は、紙の雑誌ではなく、電子雑誌[?]になっている場合もあります。

新聞

全国紙のほか、地元のニュースに詳しい地方紙、業界動向が載っている専門紙などがあります。

インターネット上の情報源

紙の情報源と違って、内容がどんどん新しくなるのがインターネットの特徴です。スマートフォンでも手軽に調べられて、とても便利です。たとえば、インターネット上の百科事典として有名なWikipediaは、調べものの最初に使うと便利です。ただし、インターネット上の情報源の内容は必ずしも正確であるとは限らないため、情報源として使う場合は内容の信ぴょう性を確認する必要があります。
Wikipediaを含めて、インターネット上の情報源の内容は、必ず裏を取りましょう。

 

3-2 情報源の記録

調べものに使った本やウェブページの書誌データ[?]は、必ずメモをとっておきましょう。このメモをまとめたものが、参考文献[?]リストです。参考文献リストは、調べものをまとめる時に最後のページに載せます。参考文献リストは、調べものの内容の裏付けとなる重要な情報源です。

奥付[?]を見て、タイトル、著者、出版者、出版年、掲載ページをメモします。
(例:●山●雄 著『□□のなぞ』△△出版社 2020年 p.123)

雑誌

記事・論文のタイトル、著者、雑誌名、巻号、刊行年月、掲載ページをメモします。
(例:●川●吉 著「最近の××について」『月刊▽▽』23巻45号 2022年12月 pp.234-240)

新聞

記事のタイトル、新聞紙名、発行年月日、朝刊か夕刊か、掲載面をメモします。
(例:「環境問題のゆくえ」『夕日新聞』2022年12月22日朝刊4面)

インターネット上の情報源

ウェブサイトの運営者、URL、ページを見た年月日をメモします。ページを見た年月日が必要なのは、内容がどんどん新しくなっていくためです。インターネット上の情報源を引用する場合は、ページを見た日の画面を保存しておくことも重要です。
(例:「開館のお知らせ」 国立国会図書館 http://www.ndl.go.jp/ 最終閲覧日2024年3月12日)

ここでは書き方の一例を挙げましたが、学校などから書き方の例が示されている時は、それに従いましょう。

 

3-3 裏を取る

本・雑誌・新聞

紙の情報源の多くは、文字、言葉づかい、内容が正しいか、複数の人が確認をし、修正をしてから刊行されます。ただし、書いた人と確認をする人が同じ考え方である場合など、時には間違った内容のまま刊行されることもあります。
そのため、調べものをする時は、一つの情報源だけを鵜呑みにせず、複数の情報源を比べてみることが大切です。できれば、情報源の裏を取るため、本や記事に書かれている参考文献[?]に、実際に目を通してみましょう。

インターネット上には、SNS[?]や個人が運営するウェブサイト、匿名で書かれた記事なども含め、たくさんの情報があ

インターネット上の情報源

ります。しかし、それらの内容は、情報の出所が書かれていない場合も多く、必ずしも正確であるとは限りません。
そのため、検索エンジン[?]で検索した結果を見る時は、まずは大学や博物館などの専門的な機関・団体が運営するウェブサイトを見るようにしましょう。

記事を書いた人やウェブサイトの運営者が匿名であったり、そのテーマの専門家でなかったりする場合や、情報の出所が書かれていない場合は、ほかの情報源を探しましょう。

インターネット上の情報源を使って調べものをする時は、一つの情報源だけを鵜呑みにせず、複数の情報源を比べてみることが、紙の情報源を調べる時以上に大切です。
とくに、インターネット上の百科事典として有名なWikipediaは、調べものの最初に使うと便利ですが、記事を書いた人は匿名です。記事に書かれている参考文献や出典[?]など、情報の出所を必ず確認しましょう。

 

3-4 引用する

自分が書いた文章と区別するために、他人が書いた文章をカギカッコ内に入れるなどして書くことを「引用」といいます。引用する時は、基本的には元の文章をそのまま切り取って書きます。

例:『ぐりとぐら』は、「現在までに英語、中国語、韓国語、タイ語、クメール語、デンマーク語、フランス語、オランダ語、エスペラントの9言語」(国立国会図書館国際子ども図書館『日本発☆子どもの本、海を渡る』、2010年、70ページ)に翻訳されているそうだ。

引用文のカギカッコの後には、引用文の出所となった本のタイトルをマルガッコ内に入れて書きます。これを「出典[?]」といいます。出典は、最後のページにまとめて書く場合もあります。出典を書けば、図や表も引用することができます。
出典以外の情報源は、参考文献[?]リストにまとめて書いておきます。


調べ方を調べる

4-1 リサーチ・ナビ

リサーチ・ナビ

国立国会図書館のデータベース[?]です。テーマや資料の種類ごとに、調べものに役立つ本、ウェブサイト、データベースなどを紹介しています。

画面中央の検索窓から検索すると、検索結果がリサーチ・ナビ内の調べ方、関連資料、全国の図書館の調べ方などに分かれて出てきます。調べものの最初に、思いついた言葉を検索してみるとよいでしょう。

リサーチ・ナビ
リサーチナビ検索結果

 

4-2 レファレンス協同データベース

レファレンス協同データベース

国内のさまざまな図書館の司書がサポートした調べものの実例や、レファレンス[?]に役立つ情報を集めたデータベース[?]です。

画面上の方にある検索窓から検索すると、検索結果が「レファレンス事例」、「調べ方マニュアル」などに分かれて出てきます。自分の調べもののテーマに近い「レファレンス事例」や「調べ方マニュアル」を探してみるとよいでしょう。

 

4-3 パスファインダー

図書館での調べ方を、テーマごとに紹介したパンフレットを、パスファインダーといいます。パスファインダーは、それぞれの図書館内で配られているほか、インターネット上で公開されている場合があります。

以下は、さまざまな図書館のパスファインダーを探すデータベース[?]や、パスファインダーを掲載するウェブサイトです。


本で調べる

5-1 どこから読むか

テーマがすでに決まっている場合は、本を最初から読み通す以外に、調べている内容が載っている部分を本の中から探す方法があります。
1つめは、本の目次を見る方法です。目次を見ると、自分が調べている内容がどの章に載っているかがわかります。
2つめは、本の索引[?]を引く方法です。索引を引くと、自分が調べている言葉がどのページに載っているかがわかります。

テーマを決めるために本で調べる場合にも、本の目次は参考になります。たとえば、目次を見て、気になるところを読むことによって、テーマを絞り込むことができます。
目次と索引をうまく使えるようになると、調べることが上手になります。

 

5-2 さらに深く知りたいとき

参考図書[?]や研究論文には、参考文献[?]リストがついています。参考文献リストは、調べものの内容の裏付けとなる重要な情報源です。それらの参考文献に実際に目を通すことで、情報源の裏を取ると同時に、書かれているテーマをさらに深く知ることができます。

 

5-3 代表的な参考図書

百科事典や辞書など、調べものに使う本を参考図書[?]といいます。「レファレンス[?]ブック」ともいいます。多くの図書館は、参考図書をまとめて置いています。紙の本ではなく、データベース[?]になっている場合もあります。
代表的な参考図書には、以下のものがあります。
※書名をクリックすると、「カーリル」(全国の図書館の蔵書情報を検索できるサイト)の検索結果を表示します。

 

  • 『世界大百科事典』
    9万以上の項目が載っており、索引[?]巻では約42万の言葉から引けます。各分野の専門家が書いているため、それら専門家の名前をOPAC[?]の著者[?]名欄に入れて本や論文を探すと、さらに詳しい本や論文を探せます。
  • 『世界年鑑』
    過去1年間に世界各地で起きたできごとや、国際情勢、各国の主要データがまとまっています。
  • 『国史大辞典』
    約6万7千の項目が載っています。日本史の事典というよりは、日本についての百科事典に近く、さまざまな事物の起源や歴史を調べることができます。項目ごとに参考文献[?]が紹介されているため、さらに深く知ることができます。
  • 『日本国語大辞典』
    約50万の項目が載っています。言葉の意味だけでなく、成り立ち、時代による意味の変化、方言などの説明があります。
  • 『大漢和辞典』
    約5万字の漢字が載っている、世界最大の漢和辞典です。学習用の漢和辞典・漢字辞典では調べたい漢字が見つからない時や、中国の古典から来た故事成語・詩句を調べたい時に使うと便利です。
  • 『岩波世界人名大辞典』
    3万8千以上の項目が載っている、日本最大の外国人名辞典です。実在する人物以外に、神話、伝説、小説、映画に出てくる架空の人物も載っています。?

新聞・雑誌で調べる

6-1 雑誌記事の検索

国立国会図書館サーチで雑誌記事索引[?]の機能を使います。まず、最初の画面で「絞り込み条件」をクリックし、絞り込み条件画面を開きます。それから、資料種別欄で、「雑誌記事等」だけを選択します。この方法で、学術誌、専門誌、一般総合誌の記事・論文が検索できます。

以下は、代表的な雑誌記事索引データベース[?]です。

  • 国立国会図書館サーチのバナー国立国会図書館サーチ
    国立国会図書館サーチで雑誌記事索引の機能を使います。まず、最初の画面で「詳細検索」をクリックし、詳細検索画面に切り替えます。それから、資料の種類を選ぶところで、「雑誌記事」だけを選択します。この方法で、学術誌、専門誌、一般総合誌の記事・論文が検索できます。

なお、雑誌記事索引では、週刊誌やファッション誌などの娯楽雑誌のデータを取っていないため、基本的にそれらの記事は検索できません。ただし、古い雑誌がデジタル化されると、それらの目次が書誌データ[?]になるため、国立国会図書館サーチや国立国会図書館デジタルコレクションで、古い娯楽雑誌の記事がヒットする場合があります。
そのため、学術誌、専門誌、一般総合誌に限らず、古い雑誌の目次を広く検索したい時は、雑誌記事索引の機能を使わずに検索してみましょう。

記事・論文を検索できる雑誌のタイトルは、雑誌記事索引採録誌一覧(国立国会図書館ホームページ)から確認できます。

記事・論文を検索できる雑誌のタイトルは、主要索引採録雑誌(Web OYA-bunkoホームページ)から確認できます。

検索できるデータベースは、PDFファイル「ざっさくプラスを構成するデータ群」(ざっさくプラスホームページ)で確認できます。?

 

6-2 新聞記事の検索

新聞記事を検索すると、過去の事件や出来事のほか、本や雑誌記事にはない情報を探すことができます。過去の新聞記事をキーワードで探す場合は、新聞社が運営する新聞記事索引[?]データベース[?]が便利です。
多くのデータベースは有料ですが、図書館内のPCで無料で使える場合があります。


インターネットで調べる

7-1 検索エンジン入門編

インターネット上のウェブページをキーワードで検索するシステムやサービスのことを、検索エンジン[?]、またはサーチエンジンといいます。有名なものに、GoogleやYahoo!があります。
検索エンジンは、日々、世界中で増え続けるウェブページの情報を集めています。しかし、ウェブページの情報は「玉石混淆(ぎょくせきこんこう)」であり、内容が必ずしも正確であるとは限りません。そこで、検索エンジンを使って調べものをする時の基本的なコツを、2つ紹介します。

かけあわせ検索、AND検索

検索する言葉を2つ以上入力します。
たとえば、ユリの花びらの枚数を調べたい時、検索する言葉が「ユリ」だけでは検索結果が多すぎます。そこで、調べたい内容に合う言葉を2つ以上考えて、「ユリ 花びら 枚数」のように、言葉と言葉の間にスペースを入れて検索します。すると、これらの言葉をすべて含んだ検索結果に絞り込まれます。

しっかり選ぶ

検索結果は、信頼できる情報源を先に表示しているわけではありません。そのため、先に表示された検索結果に飛びつかず、複数の情報源を見比べて、より信頼できる情報源を選びましょう。

情報源の選び方については、情報源を選ぶ

そのほか、インターネットや検索エンジンのしくみ、それらを使う時の注意点について、総務省が以下のウェブサイトで説明しています。
情報通信白書 for Kidsのバナー情報通信白書 for Kids

 

7-2 検索エンジン応用編

検索エンジンを使って調べものをする時に役に立つ方法を3つ紹介します。

画像検索

写真や絵を探す方法です。2つの方法があります。

  1. 言葉で探す
    探したい写真や絵のイメージを表す言葉を入力します。
    (例:「上野の花見」、「パンダの赤ちゃん」など)
  2. 画像で探す
    探したい写真や絵に似ている画像ファイルをアップロードしてから、画像検索機能を使って検索します。または、探したい写真や絵に似ている画像が載っているウェブページを探してから、画像検索機能を使って検索します。
    ただし、検索エンジンに画像をアップロードすると、その画像が何らかの形で利用される可能性があることに留意しましょう。

マイナス検索

検索結果が多すぎる時に、その検索結果から特定の検索結果を除いて表示する方法です。検索する言葉に続けて、半角ハイフン(-)と除外したい言葉を入力します。
たとえば、「パンダ ?上野」で検索すると、「上野」の検索結果を除外した「パンダ」の検索結果を表示します。

ドメイン指定検索

機関・団体のウェブサイトに絞って検索する方法です。検索したい言葉に続けて、「site:」とドメイン[?]を入力します。政府機関のドメインは「go.jp」、大学のドメインは「ac.jp」です。
たとえば、「パンダ site:ac.jp」で検索すると、「パンダ」の検索結果のうち、「ac.jp」のドメインをもつもの、つまり大学のウェブサイトだけを表示します。

 

7-3 調べものに役立つウェブサイト

 

電子雑誌
PCの画面などで読む用に出版された雑誌。「電子ジャーナル」ともいう。
著者 本を書いた人のこと。
書誌データ
本のタイトルや出版者、出版年、ページ数など、本のデータのこと。
出典
引用文などの出所となった本のこと。
参考文献
調べものをする時に使った本、記事、論文、ウェブページのこと。最後の方にまとめて書かれていることが多い。
参考図書
辞書や事典など、調べものに使う本。「レファレンスブック」ともいう。
雑誌記事索引
雑誌に載っている記事や論文を、タイトルや著者から検索できるようにしたもの。
索引
本 の中で取り上げた言葉をまとめたもの。その言葉が何ページに載っているか調べることができる。
検索エンジン
Google やYahoo!などインターネット上のウェブページをキーワードで検索するシステム。「サーチエンジン」ともいう。
奥付
本のタイトル、著者名、出版年月日などがまとめて書かれている部分。多くは本の最終ページにある。
レファレンス
本を探す、調べものに役立つ本を紹介するなど、司書が調べもののサポートをするサービスのこと。
ドメイン インターネット上の住所。
データベース
たくさんのデータを利用しやすいように整理して、PCから検索できるようにしたシステムのこと。
ウェブアーカイブ
古いウェブサイトを保存するデータベース。国内ではWARP、海外ではInternet Archiveなどがある。
SNS
Social Networking Serviceの略。Twitter、Instagram、LINEなど、インターネット上で個人どうしのコミュニケーションが行えるサービス。
OPAC
Online Public Access Catalog(オンライン閲覧目録)の略。図書館にどんな本があるか検索できる。「オーパック」または「オパック」と読む。

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