平成30年度委託調査「子供の読書活動推進計画に関する調査研究」

【2019-068】

2019年5月17日、文部科学省が、平成30年度委託調査「子供の読書活動推進計画に関する調査研究」の調査結果を公開した。

同調査は、第四次「子供の読書活動推進に関する基本的な計画」をふまえ、電子メディアが子どもの読書環境に積極的な影響をもたらす可能性があることを念頭に、子どもの電子メディアの利用実態を把握し、読書活動等との関係を捉えることを目的としている。平成30年12月18日から28日にかけて、全国の小学5年生から高校3年生相当の児童・生徒とその保護者を対象とし、ウェブモニター調査にて実施された。おもな調査結果は以下のとおり。

  • 紙の本で読書をした子どもの割合、自分から進んで紙の本で読書をした子どもの割合は、どちらも小学生、中学生、高校生の順に高い。
  • 小学生、中学生、高校生のいずれも、約2割の子どもが過去1ヶ月間において電子書籍を読んだ。オンライン書店でダウンロードして読むよりも、無料のサイトやアプリで電子書籍を読むことが多い。
  • 小学生、中学生では、紙の本は読んだが電子書籍は読んでいない割合が高い。逆に電子書籍のみを読んだ割合は、小学生、中学生、高校生のいずれも低い。
  • 電子書籍は持ち運びや入手にあたって利便性があり、電子書籍での読書をした子どもは、一つのデバイスで複数の本が読み比べられることやキーワード検索ができることなど、読書活動に関わる点に利便性を感じている。
  • 小学生、中学生、高校生のいずれも、約4割の子どもが図書館等において電子書籍を借りられるようになるとよいと思っている。
  • 子どもの学年が上がるにつれて、読み聞かせをする家庭の割合は減ってくるが、中・高学年まで読み聞かせをしていた子どもほど、本を読んでいない子どもの割合が低い。
  • インターネットについて、小学生、中学生、高校生のいずれも、動画や音楽サイトを利用する子どもの割合が最も高く、続いて、検索サイトを使っての調べものや情報収集といった利用方法が多い。
  • 電子書籍で読書をする保護者がいる場合、電子書籍で読書をする子どもの割合も高くなる。
  • 子どもが図書館、書店・本屋に行きやすい場合、また学校図書館がいつでも自由に利用できる場合は、その他の場合に比べて、本を読む子どもの割合が高い。
  • Ref:

    (2019.06.25 update)