2020年プリンツ賞受賞作品決定

【2020-028】

2020年1月27日、米国図書館協会(American Library Association: ALA)の一部門であるヤングアダルト図書館サービス協会(Young Adult Library Services Association: YALSA)は、プリンツ賞(Michael L. Printz Award)の受賞作が、A.S. KingAmy Sadig King)の “Dig” に決定したと発表した。同賞は、前年に出版された優れたヤングアダルト作品に与えられる。

Dig” では、5人のティーンエイジャーの異なる人生がからみあい、複雑な過去の中に長く埋もれていた秘密が暴かれる。白人が享受してきた特権と、その負の遺産をテーマにした、超現実主義的な物語である。審査委員長の Kim Keown Farnsworth は、「内臓に強烈なパンチを食らわせるような作品だ。白人が受けてきた恩恵が世代を越えて与える影響と、壊れた家族が孤立していく様が、弁解がましくなく率直に語られる」と評価した。

また、同賞の次点作品にあたるプリンツ賞オナーブックには、上橋菜穂子の “The Beast Player”(『獣の奏者』)、 Mariko Tamaki の “Laura Dean Keeps Breaking Up with Me”(Rosemary Valero-O’Connell 絵)、Nikki Grimes(ニッキ・グリムズ)の “Ordinary Hazards: A Memoir”、Geraldine McCaughrean(ジェラルディン・マコックラン)の “Where the World Ends”(邦訳『世界のはての少年』)が選ばれた。

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(2020.02.25 update)