中国、新型コロナ関連児童書ウェブサイト「生命の樹」を開設

【2020-065】

2020年4月2日、国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People: IBBY)の張明舟会長をはじめとする中国児童書出版界の有志が、新型コロナウイルスに関連する児童書を多言語で紹介するウェブサイト「生命の樹児童図書(生命树童书)」を開設した。中国で出版された『さよなら新型コロナウイルス』『いつもとちがう春節』など11冊の児童書が英語、日本語など10数か国語に翻訳され、無償で読むことができるほか、電子図書館サービスOver Driveのコンテンツとして世界の図書館に無償で提供される。

IBBYの張明舟会長は、2020年2月末、自身のSNSアカウントで、中国の出版社に対して新型コロナウイルスに関する児童書の版権を無償で譲渡してほしいと呼びかけ、同時に翻訳者に対し、これらの図書をボランティアで各国語に翻訳するよう呼びかけた。38の出版社と10人の作家・画家、およそ300名の翻訳ボランティアがこれに応え、56冊の版権が寄贈された。このうち中国国家図書館少年児童図書館長の王志庚氏を始めとする有識者グループが選んだ11冊が翻訳され、ウェブサイト上で提供された。

張明舟会長は「世界の子どもたちに、児童書から新型コロナウイルスに関する知識を得ると同時に、読書の喜びを知ってほしい。また、読書によってウイルス感染防止のため家に閉じこもっている子どもたちの心に希望をもたらしたい」としている。

2014年の国際アンデルセン賞画家賞を受賞したブラジルの画家ホジェル・メロ氏がこのウェブサイトのバナーをデザインした。また、世界各国からも参加を希望する声が寄せられている。

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(2020.05.10 update)