2020年IBBY朝日国際児童図書普及賞、受賞団体発表

【2020-086】

国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People: IBBY)は、2020年5月4日、IBBY朝日国際児童図書普及賞(IBBY-Asahi Reading Promotion Award)の受賞団体について、アルゼンチンの「ゆりかごの家 おはなし隊」(Casa Cuna Cuenteros)に決定したと発表した。同賞は、1986年に東京で開催された第20回IBBY世界大会を記念して、朝日新聞社がスポンサーとなり創設された。青少年の読書推進のために優れた活動を行い、永続的な貢献をした団体・専門機関が、各国支部からの推薦を受けて隔年で選出され、賞金1万ドルが贈られる。授与式は、2021年9月にモスクワで開催されるIBBY世界大会で行われる。

「ゆりかごの家 おはなし隊」(Casa Cuna Cuenteros)

2013年からボランティア団体としてブエノスアイレスの子ども病院で活動している。かつて孤児院として利用されていた病院の建物は、「Dr. Pedro de Elizalde Children’s Hospital」と名前を変えた今も「ゆりかごの家」という名で広く知られており、団体名はそれに由来する。 社会的弱者が暮らし、経済的理由により学校をやめる者も多い町では、本や物語は学習のためだけの余計なものとみなされ、豊かな人々しか本を持てない。そんな中、病院で定期的に実施される読み聞かせやストーリーテリングは楽しく、子どもも大人も勇気づけ、病院の職員もその活動に携わっている。 当団体は、ボランティア養成のワークショップに講師として招かれ、同様のプログラムを立ち上げた他の病院に助言を行っている。子どもや親、家族、介護者の人生に影響を与えるプロジェクトは、他の病院にも波及した。

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(2020.06.16 update)