JBBY、2021年IBBYバリアフリー児童図書への推薦作品の決定を発表

【2020-108】

2020年7月31日、日本国際児童図書評議会(JBBY)は、国際児童図書評議会(IBBY)の推薦図書リスト「IBBYバリアフリー児童図書」(2021 IBBY Selection of Outstanding Books for Young People with Disabilities )への日本からの推薦作品を決定したと発表した。

IBBYは、すべての子どもたちが読書の楽しみを享受できるよう、さまざまな工夫の詰まった世界のバリアフリー児童図書の情報を収集している。リストの選定は隔年で行われており、各国支部からIBBYに推薦されたバリアフリー児童図書の中から、IBBYが数十冊を選ぶ。

バリアフリー児童図書は、配慮の必要な子どものための特別な仕様の本(スペシャルアプローチ)、障害の有無にかかわらず誰もが楽しめる本(ユニバーサルアクセス)、障害のある人を描写した本(ポートレート)の、3つのカテゴリーに分けられている。

IBBYに選定された本は、IBBY世界大会や国際ブックフェアなどで紹介され、希望する国々で巡回展示される。2019年に選ばれた本は「世界のバリアフリー児童図書展」として、国際子ども図書館で2020年7月28日から8月30日まで、入場無料で展示している。その後、全国を巡回する予定である。

JBBY選考委員は、2021年のIBBYの選定に向けて7月25日にオンラインの国内選考会を行い、下記の7冊を日本から推薦するとした。

  • 特別な仕様の本(スペシャルアプローチ)
  • 『もぐらのおさんぽ』(大江委久子 制作、2019年、手作り布絵本)

  • 誰もが楽しめる本(ユニバーサルアクセス)
  • 『ころりん・ぱ!』(ひらぎみつえ 作、ほるぷ出版、2019年、ISBN:978-4-593-10056-9、当館請求記号:Y17-N19-M628)

    『100』(名久井直子 さく、井上佐由紀 しゃしん、福音館書店、2020年、ISBN:978-4-8340-8528-0、当館請求記号:Y17-N20-M189)

    『まぼろしえほん』(井上洋介 作・絵、鈴木出版、2018年、ISBN:978-4-7902-5363-1、当館請求記号:Y17-N19-M164)

  • 障害のある人を描写した本(ポートレート)
  • 『きみの存在を意識する』(梨屋アリエ 作、ポプラ社、2019年、ISBN:978-4-591-16356-6、当館請求記号:Y8-N19-M601)

    『こくん』(村中李衣 作、石川えりこ 絵、童心社、2019年、ISBN:978-4-494-01631-0、当館請求記号:Y17-N19-M781)

    『読む喜びをすべての人に 日本点字図書館を創った本間一夫』(金治直美 文、佼成出版社、2019年、ISBN:978-4-333-02812-2、当館請求記号:Y3-N19-M131)

選考委員は、梨屋アリエ氏(児童文学作家)、林左和子氏(静岡文化芸術大学教授)、村中李衣氏(児童文学者・ノートルダム清心女子大学教授)、山田真氏(小児科医)、さくまゆみこ氏(翻訳家・JBBY会長)の5名が務めた。

Ref:

(2020.08.21 update)