2021年IBBY選定バリアフリー児童図書が決定

【2021-001】

2020年12月11日、日本国際児童図書評議会(JBBY)は、国際児童図書評議会(IBBY)の2021年「IBBY選定バリアフリー児童図書」(2021 IBBY Selection of Outstanding Books for Young People with Disabilities)に選定された作品が決定したと発表した。

IBBYは子どもが障害の有無にかかわらず読書を楽しみ、また障害に対する理解を深められるような本を収集し、その中から選定した本のカタログを2年に一度制作している。カタログは、配慮の必要な子どものための特別な仕様の本(スペシャルアプローチ)、障害の有無にかかわらず誰もが楽しめる本(ユニバーサルアクセス)、障害のある人を描写した本(ポートレート)の3つのカテゴリーに分かれている。2021年は31か国から推薦された24言語194冊の候補作品の中から計40冊が選定され、日本からは以下の2冊が選ばれた。

『ころりん・ぱ!』
(ひらぎみつえ作、ほるぷ出版、2019年、ISBN:978-4-593-10056-9、当館請求記号:Y17-N19-M628)
☆誰もが楽しめる本(ユニバーサルアクセス)
動きを表すオノマトペとともに、わっか型の「ころりん」を溝に沿って指で動かすボードブック。視覚障害の有無にかかわらず、一人でも複数人でも遊ぶことができる。
『こくん』
(村中李衣作、石川えりこ絵、童心社、2019年、ISBN:978-4-494-01631-0、当館請求記号:Y17-N19-M781)
☆障害を描いた本(ポートレート)
作者が幼稚園で目にした出来事をもとに創作した。歩行器を使う少女と、彼女を見守る少年の姿を通して、「自分と違う誰かに出会うことは、今までとは違う自分に出会い直すことでもある」と伝える絵本。

選ばれた本は、2021年6月にイタリアで開催を予定しているボローニャ・ブックフェアのIBBYスタンドで展示され、その後各国を巡回する。日本では2022年3月から「世界のバリアフリー児童図書展」として全国を巡回する予定である。

Ref:

(2021.01.04 update)