SLJ、子どもの本のBest Books 2020を発表(米国)

【2021-004】

2020年11月23日、米国の学校図書館向け雑誌School Library Journal(SLJ)は、2020年のBest Booksを発表し、特設ページを公開した。

特設ページでは、Picture Books(絵本)、Chapter Books(低・中学年読み物)、 Middle Grade(中・高学年読み物)、YA(ヤングアダルト=13~18歳くらいの中高生向け読み物)、Nonfiction(ノンフィクション)、Graphic Novels(グラフィックノベル=対象年齢の高い長編漫画作品)の6つのカテゴリに分けられたリストを見ることができる。今年は、全部で108作品が紹介されている。人種や民族、宗教をテーマとした作品が多く、YAカテゴリに選出されたリストのなかには、第二次世界大戦中の14人の日系アメリカ人ティーンエイジャーの姿を描いた作品 “We Are Not Free”も選ばれている。

SLJは、Best Booksの選書は例年難しいものだとした上で、「2020年はパンデミックが猛威をふるう中、経済状況が一変した。また、痛みを伴いながら、人種差別や抑圧という憎しみの歴史と向き合うことになり、困難という言葉では表しきれない1年となった」「それでも私たちを癒し、力づけてくれる本に助けられて歩みを進めることができた」「芸術は、混沌とした世界を理解する言葉を与えてくれる」「ここに挙げられた108作品が読者の子どもたちに伝えるのは、どれほど不確かな時代にも希望は残されているということだ」と記している。

SLJは、いわゆる児童文学の書籍に限らず、Manga(日本で出版された漫画が英訳された作品)やオーディオブックの2020年版リストも公開している。Mangaリストには、“The Rose of Versailles” (ベルサイユのばら)といった有名作品をはじめ、最近の作品も多数含まれる。これらの詳細リストは、ウェブサイトで閲覧可能である。

Ref:

(2021.01.13 update)