「子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究」の報告書の公開

【2021-110】

2021年8月11日(水)、国立青少年教育振興機構は、「子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究」の報告書を公開した。

同報告書は、2019年2月に全国の20~60代の男女5,000名(各年代について男女500名ずつ)を対象に行われた調査結果をもとに、子どもの頃の読み聞かせや読書活動の実態、過去の読書活動が大人になった現在の意識・非認知能力に与える影響、読書活動を形成する要因を検証し、まとめたものである。また、大学生113名を対象に行われた、子どもの頃の読書活動と認知機能(語彙力、文章理解力など)との関連についての調査・分析と、読書活動の効果も検証されている。

調査研究結果の概要等

調査研究結果の概要について、国立青少年教育振興機構は以下のとおりまとめている。

  1. 子どもの頃の読書量が多い人は、意識・非認知能力と認知機能が高い傾向がある。
  2. 興味・関心にあわせた読書経験が多い人ほど、小中高を通した読書量が多い傾向にある。
  3. 年代に関係なく、本(紙媒体)を読まない人が増えている。
  4. 一方で、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを使った読書は増えている。
  5. 読書のツールに関係なく、読書している人はしていない人よりも意識・非認知能力が高い傾向があるが、本(紙媒体)で読書している人の意識・非認知能力は最も高い傾向がある。

このほか、子どもの頃の読書活動と認知機能との関連については、小中高と継続して読書を行っている場合、認知機能が高いという結果が示された。小学校高学年と中学校の読書量と認知機能には相関関係が得られなかったものの、高校時のそれには正の相関関係があることが明らかになり、また、高校時の読書量には、小学校高学年と中学校の時の読書量が寄与していることが示唆されている。

報告書の全文は国立青少年教育振興機構のウェブサイトで確認できる。

Ref:

(2021.10.10 update)