柏葉幸子 作『帰命寺横丁の夏』がバチェルダー賞を受賞

【2022-018】

2022年1月24日(月)、米国図書館協会児童図書館サービス協会(Association for Library Service to Children, a division of the American Library Association: ALSC, ALA)は、2022年のバチェルダー賞(Mildred L. Batchelder Award)受賞作品が、柏葉幸子による『帰命寺横丁の夏』(2011年、講談社)から英訳された “Temple Alley Summer” に決定したと発表した。

同作は、女の子の幽霊をめぐる謎と夏休みの冒険を描いたファンタジー。白い着物姿の幽霊が家から出ていくのを見た少年の前に、その幽霊と同じ姿の転校生が現れる。同賞審査委員長は、「力のある人物造形、豊かな文化的背景が魅力的な物語で、先へ先へと読ませる」と評した。

バチェルダー賞は、英語に翻訳され、前年に米国で出版された児童書を対象とする。今回、次点作品にあたるバチェルダー賞オナーブックには、相野谷由起 さく・え『うさぎのさとうくん』(2006年、小学館)から英訳された “Sato the Rabbit” も選出されている。

過去にバチェルダー賞を受賞した日本の作品は、以下の4作品である(書誌情報は原作のものを記載した)。

  • 1983年受賞:丸木俊 え・文『ひろしまのピカ』(1980年、小峰書店)
  • 1997年受賞:湯本香樹実 作『夏の庭 The friends』(1992年、福武書店)
  • 2008年受賞:宮部みゆき 著『ブレイブ・ストーリー』(2003年、角川書店)
  • 2009年受賞:上橋菜穂子 作, 二木真希子 絵『精霊の守り人』(1996年、偕成社)

Ref:

(2022.02.27 update)