JBBY、2023年IBBYバリアフリー児童図書への推薦作品を決定

【2022-023】

2022年2月21日(月)、日本国際児童図書評議会(JBBY)は、国際児童図書評議会(IBBY)の2023年「IBBYバリアフリー児童図書」(2023 IBBY Selection of Outstanding Books for Young People with Disabilities)への日本からの推薦作品を決定したと発表した。

IBBYは、すべての子どもたちが読書の楽しみを享受できるような工夫の詰まったバリアフリー児童図書の情報を収集しており(IBBY Collection for Young People with Disabilities)、2年に1度、各国支部から推薦される図書の中から約40冊を選定し、カタログを作成している。選ばれた本は、IBBY世界大会や国際ブックフェアなどで紹介され、希望する国々で巡回展示される。

これまでは3つのカテゴリーが設けられていたが、今回のバリアフリー児童図書は、以下の2カテゴリー別に募集されている。

  • カテゴリー1:誰もがアクセスできる本(Accessible Formats
    (点字や手話、大活字、非言語コミュニケーションのシステムが盛り込まれたり、触って楽しめる工夫がなされている本の他、発達障害や認知障害、学習障害を持つ子どもたちも読めるような、易しく、年齢に適した内容と、短めの文章で構成されている本)
  • カテゴリー2:障害がある子どもや人物を描いた本(Portrayals of Disability
    (強迫性障害や統合失調症などの精神障害も含む、慢性的な障害を持つ人々を描写した本)

2023年のIBBYの選定に向けて、JBBYが推薦した作品は以下の10作品である。なお、選考委員は梨屋アリエ氏、林左和子氏、村中李衣氏、山田真氏、さくまゆみこ氏の5名が務めた。

推薦作品一覧

カテゴリー1:誰もがアクセスできる本

音にさわる はるなつあきふゆをたのしむ「手」(てんじつきさわるえほん)
広瀬浩二郎 作、日比野尚子 絵、偕成社、2021年、ISBN:978-4-03-226160-8
かける
はらぺこめがね 著、佼成出版社、2021年、ISBN:978-4-333-02842-9
クッキーづくりの仕事 洋美さんの1日(仕事に行ってきます)
埼玉福祉会出版部、2018年、ISBN:978-4-86596-241-3
どちらがおおい? かぞえるえほん さわるえ&てんじつき(てんじつきさわるえほん)
村山純子 著、小学館、2020年、ISBN:978-4-09-725079-1
ふーってして
松田奈那子 作、KADOKAWA、2020年、ISBN:978-4-04-109137-1
まどのむこうのくだものなあに?
荒井真紀 さく、福音館書店、2020年、ISBN:978-4-8340-8568-6
りんごだんだん
小川忠博 写真と文、あすなろ書房、2020年、ISBN:978-4-7515-2961-4

カテゴリー2:障害がある子どもや人物を描いた本

車いすで国会へ 全身マヒのALS議員 命あるかぎり道はひらかれる
舩後靖彦、加藤悦子、堀切リエ 文、子どもの未来社、2021年、ISBN:978-4-86412-185-9
めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン!
多屋光孫 文・絵、合同出版、2021年、ISBN:978-4-7726-1480-1
わたしが障害者じゃなくなる日 難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中のつくりかた
海老原宏美 著、旬報社、2019年、ISBN:978-4-8451-1589-1

Ref:

(2022.03.20 update)