2022年IBBY朝日国際児童図書普及賞、受賞団体決定

【2022-043】

2022年3月21日(月)、国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People: IBBY)は、IBBY朝日国際児童図書普及賞(IBBY-Asahi Reading Promotion Award)の受賞団体を発表した。同賞は、1986年に東京で開催された第20回IBBY世界大会を記念して、朝日新聞社がスポンサーとなり創設された。青少年の読書推進のために優れた活動を行い、永続的な貢献をした団体・専門機関が、各国支部からの推薦を受けて隔年で選出され、賞金1万ドルが贈られる。授与式は、2022年9月にプトラジャヤ(マレーシア)で開催されるIBBY世界大会で行われる。

受賞団体

ピングアックタ:カナダ・ヌナブト準州における幼児教育プロジェクト(Pinnguaqta, a programme of Ilitaqsinniq – The Nunavut Literary Council
カナダ

ヌナブト準州は人が住んでいる世界最北端であり、カナダの5分の1の面積を占める。1999年に設置され、イヌイットによる自治が行われている。ピングアックタ(遊びましょう!)は、学校教育を受ける前の子どもがリテラシー等の力をのばせるよう、地域で展開しているプログラムである。対象は新生児から6歳までの子どもと、その保護者や保育者である。モンテッソーリ教育を取り入れながら、イヌイット社会の価値観に基づき、職員、専門家、地域の高齢者が温かな環境で、文化に焦点を当てた学びを提供している。審査員は、同プロジェクトについて、世界の他の少数民族の人たちの参考になる包括的な取り組みとして評価している。

Ref:

(2022.05.13 update)