2022年ボローニャ・ブックフェア

【2022-046】

2022年3月21日(月)から24日(木)まで、世界最大の児童書の見本市であるボローニャ・ブックフェア(Bologna Children’s Book Fair)が開催された。3年ぶりに現地での開催となり、21,432人が来場した。

毎年、ブックフェアには、出版社、作家、画家、翻訳家、著作権エージェント、印刷・流通関係者、書店員、図書館員などが訪れる。例年3~4月に開催されてきたが、昨年と一昨年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために中止となり、一部のプログラムがオンラインで公開されていた。

ブックフェアでは、毎回参加国のひとつを主賓国として取り上げており、59回目を迎える本年の主賓国は、2019年から2020年までユネスコ(UNESCO)の “World Book Capital”(本の首都)だったシャルジャである。

本年のブックフェアでは、漫画・グラフィックノベルの展示コーナーが初めて登場した。美しいブックカバー、悪役を描いた挿絵、文字のない絵本などのほか、2021年にBIB賞グランプリを受賞したスペインの Elena Odriozola(エレナ・オドリオソラ、オドリオゾーラと表記する場合もある)の展示も行われた。また、ここで開かれる絵本原画展の入選作品の展示会は、ブックフェア終了後、日本各地の美術館を巡回する予定である。

版権、自費出版、漫画の翻訳などをテーマにしたイベントや、独立系児童書店が漫画について話すイベントに加え、アフリカの出版を推進する取り組みや少数言語の保護、本が手に入らない子どもへの取組、電子出版物に関するプログラムも開催された。世界の画家、編集者、出版エージェント、アート・ディレクターから自作の講評を受ける場も設けられた。ブックフェアには例年、来場したイラストレーターが自作を掲示する壁が設置されるが、本年はそれとあわせて、オンラインで送られてきたイラストレーションの画像を会場で公開した。

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア政府の支援を受けている同国の出版社によるブックフェアへの参加は認められなかった。フェアではウクライナの本が展示され、イスラエルの作家 Etgar Keret(エトガル・ケレット)による講演「戦争の時代に、どんな物語を語りうるのか」(What stories can you tell in times of war?)が開催された。

また、ブックフェアに合わせて、2022年3月21日(月)から4月16日(土)まで、ボローニャ市内のサラボルサ児童図書館で『日本の絵本100年100人100冊』(広松由希子 著)の展示が行われた。同館は2022年3月22日(火)、国際図書館連盟(IFLA)の姉妹図書館プロジェクトを介して、東京都板橋区立中央図書館と姉妹図書館提携を結んだ。

Ref:

(2022.06.03 update)

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