本によって、ウクライナの子どもを支援する取り組み

【2022-055】

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、2022年2月26日(土)に声明を発表した国際児童図書評議会(International Board of Book for Young People: IBBY)は、困難な状況におかれた子どものためのプロジェクト「チルドレン・イン・クライシス(危機にある子どもたち)」の一環として、ウクライナの子どもを支援する取り組みを行っている。

ポーランドの出版・流通に関わる団体が加盟している Universal Reading Foundation を通じての支援も、IBBYチルドレン・イン・クライシスの取り組みの一つである。Universal Reading Foundation は、ウクライナの出版社から提供された絵本や物語をポーランドで印刷し、避難所や避難した子どもたちのいる学校に届けている。また、Universal Reading Foundationの代表 Maria Deskur 氏は、第二次世界大戦中に出版基盤や図書館を破壊されたポーランドの状況を踏まえ、子どもに本を提供することだけでなく、ウクライナの出版社を支援することも大切だと語っている。

ミュンヘン国際児童図書館(Internationale Jugendbibliothek, International Youth Library)は、平和と寛容の絵本展「ハロー・ディア・エネミー!」のポスターキャンペーン “We Stand with Ukraine”(ウクライナとともに)を立ち上げた。絵本展から6点のイラストを取り上げ、学校、図書館、文化センター等で掲示できるよう、ウクライナ語版6枚、英語版6枚、解説1枚の計13枚のポスターを作成し、そのデータを30ユーロで販売する。売り上げは、上記のポーランドのプロジェクトに寄付される。

また、ウクライナ書籍協会(Український Інститут Книги, Ukrainian Book Institute)がボローニャ・ブックフェアで立ち上げたクラウドファンディングでは、欧州出版協会(Federation of European Publishers)と協力し、ウクライナの児童書をヨーロッパで印刷するための資金を集めている。

そのほかの支援方法についても、日本国際児童図書評議会(JBBY)のウェブサイトに掲載されている。

Ref:

(2022.06.17 update)