パンデミックに関わる児童書のコレクション

【2022-066】

米国の疾病予防管理センターと英国のインペリアル・カレッジ・ロンドン等が共同で行った調査によると、米国で新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年4月1日から2021年6月30日までの間に保護者を亡くした18歳以下の子どもは、140,000人以上にのぼる。このような状況を踏まえ、バージニア大学図書館では、不安やトラウマを抱えた子どもをサポートする教育関係者育成の支援が行われている。

また、2021年の春から、同大学図書館では、パンデミックに関わる児童書のコレクションの構築が始められた。このような取り組みは、米国では初めてのことである。

このコレクションは、ワクチン接種やマスクの着用を推進し、医者や科学者への信頼に基づいて書かれているという視点で選んだ、300冊以上で構築しており、その中には、”The Hug”(邦訳『ハッピー・ハグ』)に続く ”While We Can’t Hug” などが含まれている。

同大学図書館司書の Ashley Hosbach 氏によれば、コレクションの有用性は今回のパンデミックにとどまるだけでなく、「今は公衆衛生についての教育を捉え直す時期にあり、これからも引き続き考えていくべきだ」という。また、地域の教員やカウンセラー、子どもの親が参照することを想定していたものの、米国全土の研究者からの利用も考えられるという。

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(2022.07.28 update)