英国の第12代「子どものためのローリエット」

【2022-082】

2022年7月4日(月)、桂冠詩人(Poet Laureate)に倣い、子どもの本の優れた作家または画家に、隔年で授与する称号「子どものためのローリエット」(Waterstones Children’s Laureate)の第12代目が、詩人・作家のジョセフ・コエロー(Joseph Coelho)に決定したと発表された。コエローは2022年から2024年までの任期の間、子どもと本のための活動を行う。

コエローは詩のパフォーマンスや学校向けの創作ワークショップを行ったり、脚本を書いたりしたのち、創作の世界に入った。絵本からヤングアダルト作品まで手がけ、共感や喪失、多様性をテーマにしたもののほか、古代の世界などにもインスピレーションを得て、自身の経験を読者と分かち合えるような普遍性のある作品を書いている。“The Girl Who Became a Tree” は2021年、カーネギー賞ショートリストに選ばれた。

コエローは、就任にあたり、「結婚式や葬式、誕生の場面で必要とされてきた詩には、言葉を超えて、心を伝える力がある」「すべての子どもが自らの姿を本の中に、また作り手の中に見出せるよう、多様性を実現したい」「図書館というのは、書架に新たな地平が広がり、心が育つ場所である。わたしが作家になったのも、地域が存続できるのも図書館の力による」と述べた。

また、コエローは以下の目標を掲げた。

読者のすがたを映したつくり手:出版界において、子どもたちが自身に重ねられるような新たなつくり手にスポットを当て、多様性を示す。

詩の力:いろいろな形の詩の力を伝えていく。詩を読んだり書いたりすることや、詩のパフォーマンスがもたらす喜びを伝える。

図書館マラソン:国内の図書館を訪れ、利用者登録を人々に呼びかける。若い人たちが読書を好きになる上で、図書館が果たす役割を訴える。

Ref:

(2022.09.18 update)