SLJがBest Books 2022を発表

【2023-002】

2022年11月21日(月)、米国の学校図書館向け雑誌School Library Journal(SLJ)は、2022年の Best Books を発表した。リストは部門別になっており「絵本」(Picture Books)27冊、「低学年向け」(Chapter Books)6冊、「中・高学年向け」(Middle Grade)25冊、「ヤングアダルト」(Young Adult)27冊、「ノンフィクション」(Nonfiction)41冊、「詩」(Poetry)6冊、「グラフィックノベル=対象年齢の高い長編漫画作品」(Graphic Novels)22冊が紹介されている。

「絵本」のカテゴリーには、感情を押し殺すのではなく、人と分かちあうことの大切さを伝える “Out of a Jar”(邦訳『びんからだしてごらん』)や、子どもたちが月に出かける『みらいのえんそく』の続刊 ”Field Trip to Volcano Island”(邦訳『みらいのえんそく : かざんのしまへ』)等が選ばれた。「ヤングアダルト」には全米図書賞受賞作 “All My Rage” やボストングローブ・ホーンブック賞絵本部門受賞作 “Ain’t Burned All the Bright” のほか、ギリシア神話のメドゥーサをジェンダーの不平等に抗う娘として新たに捉えた “Medusa”、最後の奴隷船クロチルダ号の航海を詩の形で描いた “African Town”、1989年にルーマニアでスパイになることを強いられる少年の物語 “I Must Betray You” 等が選ばれている。「ノンフィクション」には、第二次世界大戦中、日系米国人の収容所の様子を記録した写真家たちに関する “Seen and Unseen: What Dorothea Lange, Toyo Miyatake, and Ansel Adams’s Photographs Reveal About the Japanese American Incarceration”、風船爆弾を作った日本の若者と、米国の収容所に入れられた日系米国人について記した “Peace Is a Chain Reaction: How World War II Japanese Balloon Bombs Brought People of Two Nations Together”、「詩」には、先住民のリーダーたちの生涯を、その民族のアートとともに掲載した “Voices of the People” 等が含まれている。

ブックリストはSLJのウェブサイトから閲覧できる。

Ref:

(2023.01.17 update)