第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」閣議決定

【2023-030】

2023年3月28日(火)、子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年法律第154号)に基づき、おおむね5年(2023~2027年度)にわたる子どもの読書活動推進に関する基本的方針と具体的な方策を示す、第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定された。

同計画では、2018年4月に閣議決定された第四次基本計画の期間中に見られた改善点として、図書館数、図書館でのオンライン閲覧目録の導入率、学校司書を配置する学校等の割合の増加などが挙げられている。また、1か月間の平均読書冊数は、小中高のいずれの学校段階でも、推進法が制定された2001年よりも2022年の方が多くなっていることや、日本の子どもの読解力の平均得点は、OECD平均より高得点のグループに位置している点についても触れられている。一方で、図書館の児童用図書の貸出冊数や全校一斉の読書活動を行う学校の割合が減少し、1か月の間に本を1冊も読まない児童生徒の割合を示す不読率の低減についてはいずれの学校段階でも数値目標は達成されなかった点も指摘された。同計画では、新型コロナウイルスの発生を受けて実施された各学校の臨時休業や図書館の臨時休館等により、図書へのアクセスがしにくくなったことが、子どもの読書活動にも影響を与えた可能性があると分析している。

このような状況を踏まえて、子どもの読書活動を推進するのための基本的方針として、以下の4つが掲げられている。なお括弧内には主に図書館に関わる方策を示した。

1 不読率の低減
(就学前からの読み聞かせ等の促進、不読率が高い高校生のために探究的な学習活動等での図書館等の活用促進など)
2 多様な子どもたちの読書機会の確保
(アクセシブルな電子書籍・書籍等(点字資料等)の整備・提供、多言語・やさしい日本語による利用案内、特別支援学校を含めた学校図書館資料の整備など)
3 デジタル社会に対応した読書環境の整備
(1人1台端末の活用(学校図書館システム等のリンク等)、電子書籍貸出サービス、デジタルアーカイブの充実など)
4 子どもの視点に立った読書活動の推進
(子どもの要望を取り入れた資料・環境整備、図書委員等の子どもの学校図書館の運営への主体的な参画など)

Ref:

(2023.05.01 update)