第19回国際グリム賞

【2023-064】

2023年6月23日(金)、大阪国際児童文学振興財団は、第19回国際グリム賞の受賞者を発表した。

国際グリム賞は、児童文学や絵本の研究にすぐれた業績をあげた者、または児童文学や絵本の研究・紹介等の振興に顕著な功績のあった者を顕彰する目的で、1986年に大阪府立大手前高等学校創立100周年記念事業として、同校の同窓会である金蘭会の基金により設置された。大阪国際児童文学振興財団との共催事業として、国際アンデルセン賞と交互になるように隔年で実施されている。設立された1986年が、昔話の蒐集者・再話者であり、すぐれたメルヒェン研究者でもあったグリム兄弟の生誕200年にあたったために、「国際グリム賞」と名づけられた。

贈呈式および記念講演会は、2024年2月を予定している。

受賞者

クレア・ブラッドフォード博士 (Dr. Clare Bradford
同財団は受賞理由として、ブラッドフォード博士が多文化主義、植民地主義、ポストコロニアリズムなどの新しい分野の研究をリードし、広い視野で「先住民性」をテーマとした研究を行ってきたこと、そしてその研究成果が国際的に評価されてきたことを挙げている。加えて、児童文学研究誌の編集を行ってきたことや、国際児童文学学会会長などを歴任し、世界中の主要な学会に招へいされ、基調講演や討論に参加してきたことなど、上記の研究分野の発展に与えた影響力も評価された。また、研究者としてだけでなく、児童文学作家としての実績も認められ、今回の受賞につながった。

Ref:

(2023.08.15 update)

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