ALSCが「優れた子ども向け資料のリスト」2024年版を公開

【2024-059】

米国図書館協会(American Library Association: ALA)の一部門である児童図書館サービス部会(Association for Library Service to Children: ALSC)が、「優れた子ども向け資料のリスト」(Children's Notable Lists)の2024年版を発表した。

図書(Books)、録音資料(Recordings)、デジタルメディア(Digital Media)の3つのリストがあり、図書のリストには、“Younger Readers”(就学前~7歳)41タイトル、“Middle Readers”(8~10歳)28タイトル、“Older Readers”(11~14歳)16タイトル、“All Ages”(これら全ての年齢層)19タイトルが掲載されている。ニューベリー賞、コルデコット賞、プーラ・ベルプレ賞、ロバート・F・サイバート知識の本賞、セオドア・スース・ガイゼル賞、バチェルダー賞の受賞作および次点作品にあたるオナーブックもリストに含まれている。

リストに選ばれた作品のうち邦訳が出版されているものとしては、さまざまなパン作りを紹介しした “The Only Way to Make Bread”(邦訳『せかいのみんなのパン・パン・パン!』)、19世紀の絵本作家の伝記絵本 “Tomfoolery!: Randolph Caldecott and the Rambunctious Coming-of-Age of Children’s Books”(邦訳『その絵ときたら! : 新しい絵本の時代をつくったコールデコット』)、チロル地方の民話に着想を得て書かれた “The Skull: A Tyrolean Folktale”(邦訳『ドクロ』)、死んだクジラのまわりの生態系を描いた “Whale Fall: Exploring an Ocean-Floor Ecosystem”(邦訳『海にしずんだクジラ』)などがある。また ”The House of the Lost on the Cape”(『岬のマヨイガ』)と “Houses With a Story: A Dragon’s Den, a Ghostly Mansion, a Library of Lost Books, and 30 More Amazing Places to Explore”(『ものがたりの家-吉田誠治 美術設定集-』)は日本語からの翻訳である。

録音資料のリストは、様々なオーディオブックを取りあげている。デジタルメディアのリストは14歳以下の子どもを対象とし、撮った写真から動植物を特定できるアプリや、ニューロダイバーシティ(神経や脳に由来する違いを多様性と捉える考え方)の観点から、生活スキルや言語スキルをのばすためのアプリなど、様々なメディアコンテンツが含まれている。

Ref:

(2024.07.02 update)