子どもおよび教師によるリテラシー支援としての生成AIの利用に関する報告書(英国)

【2024-094】

2024年6月25日(火)、英国においてリテラシーの改善運動を実施している団体National Literacy Trust(NLT)が、リテラシー支援としての生成AIの利用に関する報告書を公開した。

同報告書は、2023年および2024年に行われた年次リテラシー調査内での生成AIに関する質問への回答をもとに作成された。13歳から18歳までの若者編と教師編から成っており、リテラシーと学習に生成AIを援用することについてのそれぞれの意識を見ることができる。

主な調査結果として、生成AIを使用したことがあると答えた13歳から18歳の割合が、2023年の5人に2人(37.1%)から2024年には4人に3人(77.1%)に増加したことや、生成AIを定期的に使用する若者の多くが娯楽、好奇心、宿題、インスピレーションを目的として使用しており、リテラシー関連の分野では、物語や詩、歌詞、ノンフィクションなどを書くために使用していることが述べられている。また、若者のほとんど(2人に1人)が、アイデアを得たり、物事を学習したり理解したりするのに生成AIが役立ったと回答している一方で、5人に1人が生成AIの回答の正当性をチェックしていないことが報告され、若者たちが生成AIの回答を批判的に評価するスキルを身に着けるために、より大きな支援の必要があることが示唆されている。

生成AIを使用したことがあると答えた教師の割合は、2023年の10人に3人(31.0%)から2024年には2人に1人(47.7%)に増加したが、自身および生徒が学習に生成AIを用いることについては、ほぼ3人に2人(64.8%)が、生徒がよい文章を書く手本になると感じる一方で、2人に1人(48.9%)は悪影響を与える可能性が高いとも考えるなど、様々な反応があることが報告されている。

Ref:

(2024.11.29 update)