子どもの本の所有に関する報告書(英国)

【2025-020】

2024年11月18日(月)、英国においてリテラシーの改善運動を実施している団体National Literacy Trust(NLT) が、2024年の英国の子どもおよび若者の本の所有に関する報告書“Children and young people’s book ownership in 2024”を公開した。同報告書は、NLTが行った年次調査のうち5歳から18歳までの子どもと若者からの76,131件の回答に基づき作成された。

同報告書には、子どもの本の所有状況について2024年の調査結果が示されているほか、経年比較や、年齢層や性別、無料給食の有無などの属性による比較、本の所有と読解力の関連性についての調査などが掲載されている。主な内容は、以下のとおりである。

  • 「自宅に自分の本がある」と答えた5歳から18歳までの割合は、90.2%であった。この割合は2023年の91.4%をわずかに下回っており、また10人に1人(9.8%)の子どもは自分の本を持っていないという状況も明らかとなった。
  • 5歳から8歳までの本の所有率は86.7%で、2019年にこの年齢層にこの質問を始めて以来の最高値となった。また、8歳から18歳までの本の所有率は90.9%で、2020年度以降5年連続での低下となった。
  • 5歳から18歳までを3~4歳ごとに5つの年齢層に分け、年齢層ごとの本の所有率を比べると、最も低かったのは5歳から8歳までのグループの86.7%、最も高かったのは8歳から11歳のグループの92.8%であった。
  • 8歳から18歳までを男女の性別に分け、本の所有率を比べると、女子(93.4%)の方が男子(88.4%)よりも高かった。
  • 8歳から18歳までを無料給食の提供を受けているか否かで分け、本の所有率を比べると、提供を受けている子ども(87.6%)の方が、受けていない子ども(92.0%)よりも低かった。
  • 8歳から14歳までで本を所有する子どもは、そうでない子どもよりも、読解力の平均点が高かった。
  • 8歳から18歳までで、「読書が楽しい」と答えた割合は、本を所有する子ども(38.7%)の方が、そうでない子ども(10.1%)よりも、約4倍高かった。また、「毎日読書する」と答えた割合も、本を所有する子ども(23.1%)の方が、そうでない子ども(7.0%)よりも、3倍以上高かった。

Ref:

(2025.03.26 update)