ALSCが「優れた子ども向け資料のリスト」2025年版を公開

【2025-026】

米国図書館協会(American Library Association: ALA)の一部門である児童図書館サービス部会(Association for Library Service to Children: ALSC)が、「優れた子ども向け資料のリスト」(Children's Notable Media Lists)の2025年版を発表した。

図書(Books)、録音資料(Recordings)、デジタルメディア(Digital Media)の3つのリストがあり、図書のリストには、“Younger Readers”(就学前~7歳)58タイトル、“Middle Readers”(8~10歳)26タイトル、“Older Readers”(11~14歳)25タイトル、“All Ages”(これら全ての年齢層)17タイトルが掲載されている。なお、2025年のニューベリー賞、コルデコット賞、プーラ・ベルプレ賞、ロバート・F・サイバート知識の本賞、セオドア・スース・ガイゼル賞、バチェルダー賞の受賞作および次点作品にあたるオナーブックはこのリストに自動的に追加される。

リストに選ばれた作品のうち邦訳が出版されているものとしては、愛情、嫉妬、悲しみといった感情を経験する人工ペットが主人公の “Barnaby Unboxed!”(邦訳『バーナビーまいごに なる!』)、少年が街でゾウの形の木と友だちになる “The Boy and the Elephant”(邦訳『ぼくのひみつのともだち』)、19世紀のロンドンでジョン・スノウ博士がコレラの発生源を突き止めたという実話にもとづく “Evidence! : How Dr. John Snow Solved the Mystery of Cholera”(邦訳『しょうこをつかめ!』)、様々な生き物の巣を紹介した “Home”(邦訳『わたしのすみか』)、死者の魂を運ぶ渡し守の役割を引き継いだ少年を通して、喪失や希望や勇気を描いた “Island of Whispers”(邦訳『ささやきの島』)、研究者や芸術家が恐竜の姿を解き明かそうとする道のりを追った “The Iguanodon's Horn: How Artists and Scientists Put a Dinosaur Back Together Again and Again... and Again”(邦訳『イグアノドンのツノはなぜきえた? すがたをかえる恐竜たち』)などがある。

録音資料のリストは、様々なオーディオブックを取りあげている。デジタルメディアのリストは14歳以下の子どもを対象とし、クラシック音楽のラジオ局が作成したウェブサイトや算数のコースを追加した言語学習アプリ、映画『インサイド・ヘッド』のキャラクターを使って様々な感情やその表し方を知るウェブサイトなどが紹介されている。

Ref:

(2025.04.07 update)