第20回国際グリム賞の受賞者決定

【2025-063】

2025年6月13日(金)、大阪国際児童文学振興財団は、第20回国際グリム賞の受賞者を発表した。国際グリム賞は、児童文学や絵本の研究にすぐれた業績をあげた者、または児童文学や絵本の研究・紹介等の振興に顕著な功績のあった者を顕彰する目的で、1986年に大阪府立大手前高等学校創立100周年記念事業として、同校の同窓会である金蘭会の基金により設置された。以降、大阪国際児童文学振興財団との共催事業として、国際アンデルセン賞と交互になるように隔年で実施されている。設立された1986年が、昔話の蒐集者・再話者であり、すぐれたメルヒェン研究者でもあったグリム兄弟の生誕200年にあたったために、「国際グリム賞」と名づけられた。贈呈式および記念講演会は、2026年2月を予定している。

受賞者

エマー・オサリバン博士 (Dr. Emer O’Sullivan)
同財団は受賞理由として、オサリバン博士が比較文学や翻訳研究、イメージ論、外国語学習、教育などの分野の児童文学研究において、重要な理論や研究分野を導入してきたこと、そしてその研究成果が世界的な影響力を持ち、国際的に評価されてきたことを挙げている。2003年から2005年にかけては国際児童文学学会副会長を務め、2017年から2024年にかけてはドイツ児童文学研究会発行の年鑑を共同編集するなど、指導的役割を通じて児童文学の発展に貢献してきたことも評価された。また、こうした学術的な業績に加え、児童文学作家としても8冊の著書(共著)がある。

Ref:

(2025.08.17 update)